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最底辺の10億人-最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か? [本(世界事情]

『最底辺の10億人』
ポール・コリアー(アフリカ経済)
日経BP社(2008)


アフリカの貧困国は
なぜ発展しないかを知る良書。

アフリカに潜む四つの罠。
紛争、天然資源、内陸国、統治。

著者が考える四つの対策。
援助、安全保障、法と憲章、貿易。

独裁国家が成功する例。
天然資源からの収益が大きいと、
独裁国家は民主国家より経済パフォーマンスが高くなる。
大規模な公共セクターを生むためらしい。

アフリカの特殊な環境。
アフリカ以外の開発途上国は、その人口の1%が内陸国。
しかしアフリカでは30%もある。
内陸国は周囲の国として貿易できないため、自立的でないのだ。

アフリカの腐敗の例。
チャドの農村診療所資金で診療所に届いたのはわずか1%。
これでは援助も有効ではない。

援助のお金はどこへ行くか?
1990年、アフリカの私有財産の38%は海外にある。
アフリカは資本が貧しいのに資本の輸出国なのだ。

経済学は一般人には理解しにくい。
ビル・クリントンは、
有権者に一番訴えにくいのはリカードの比較優位の理論という。

気になった点。
フェアトレードの価格プレミアムは慈善的な譲渡としている。
これは違うようだ。
フェアトレードでは慈善と見られるのを非常に嫌っているからだ。

著者のスタンスが良く見える発言。
・キューバは低所得で停滞した希望のない国
・中国共産党の長征は銃口におびえた農民の群れに過ぎない
・ベネズエラのウゴ・チャベスは悪いガバナンスと政策の例

貧困の解決策は人によって違うのはなぜか?
問題解決について問うと、
話し手の得意分野が事前にわかっていれば
仮定される根本原因もわかるという。
専門家はどんな問題でも、
自分の専門分野に原因があると思ってしまうのだ。

思うに、これは人間の典型的な認知エラーである。
たとえば殺人事件について、
社会学者に問えば、社会に問題があるといい、
心理学者に問えば、精神異常の疑いがあるといい、
教育学者に問えば、教育が悪いといい、
脳科学者に問えば、脳に微細な腫瘍ががあるといい、
栄養士に問えば、食事が悪いというわけである。

この本はこちらを読んで読みました。
だめな国は何をやってもだめ「最底辺の10億人」(スゴ本)

・今日の一言
専門家に問題の原因を問うと、必ずその人の専門分野に原因がある。
When you ask a specialist about the cause of a problem, they always say that cause is in their special field of study.
전문가에게 어떤 문제라도 원인을 물으면 반드시 그 사람의 전문분야에 원인이 있다고 말한다.
向专家问问题原因的话,专家肯定会从他的专门领域之中解释原因。

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