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エコノミスト 南の貧困と闘う [本(世界事情]

『エコノミスト 南の貧困と闘う』
ウィリアム・イースタリー(経済学、世界銀行)
東洋経済新報社(2003)


いかに多くの経済学者に論理思考能力がないことがわかる良書。

人間はそうすることが経済的に見合うことはするし見合わないことはしない。
インセンティヴ、これこそが経済学の原理。

資本原理主義とは、設備や機械の増加が成長の主因。
国際金融機関の中で疑う人はほとんどいないという。
そんなわけがない。
何というか、経済学者は論より証拠で議論を進め過ぎなのだ。
因果関係とは何かということについてわかってなさ過ぎる。

2世紀前の所得水準がその後、富裕になるかをはっきり予言する。
先進国は昔から先進国だったのだ。

アシュリー・ブリリアント
矢を的に命中させるにはまず矢を射て当たったところを的とすればよい。
これこそまさに経済学研究の原理である。

教育も期待通りには成長を実現できない。
これは当たり前。それだけで成長するはずがない。

弁護士の多い国はエンジニアの多い国より成長率が低い。
これはアメリカと日本の関係か?
わかるけども、アメリカはそれなりに成長しているな。

貧しい国の債務は不運ではなく無責任政府のため。
アフリカがそれ。

なぜ東アジアの開発独裁国家は発展したか。
強大な独裁者は成長が自分の利益になることを知っている。
ザイールがインドネシアより成長しないのは汚職が地方分権的だから。
汚職へのインセンティヴは中央集権的政府より地方分権的政府に強い。
複数の利益集団があると政府の悪い政策の原因となる。
分断された社会は一様な社会より政策が悪い。

こう考えると日本も複数の利益集団による混乱した要素がある。
特に省庁がそれぞれの利益集団と化して日本を衰弱させている。

金持ちへの課税は成長率を低下させるという。
これは疑問。何か勘違いしてないか?

収穫逓増、知識の波及、技能のマッチング、貧困の罠。
4つの条件を経済発展の原理として挙げている。

不可欠要因が複数ある場合、
そのどれもが一つでも欠ければだめなのだから、
主因は無くなってしまう。
経済は連鎖反応。
輪ゴムはどこで切っても輪ゴムではなくなってしまうということ。

その国の経済の連鎖反応のどこが断ち切れているかは、
その国ごとに違うのだから、
同じ原理で貧困から脱出できるはずもない。

経済学者の論理思考力の低さにはあきれるものがある。
論理とか因果関係の意味がわかってなさ過ぎる。

様々な経済学の仮説が提出されるのを読むとまるで、
クイズに思いつきで答えているのではないかと、
あきれるようなものが多い。

・今日の一言
To be sure of hitting the target, shoot first, and call whatever you hit the target.(Ashleigh Brilliant)
矢を的に命中させるにはまず矢を射て当たったところを的とすればよい。(アシュリー・ブリリアント)
화살을 확실히 과녁에 맞힌다면 우선 화살을 쏘아서 맞은 곳을 과녁으로 삼으면 된다.(애슐리 브릴리언트)
要想把箭确实射中靶子的话,首先射箭,然后射中的地方叫靶子。(阿什雷·布里连特)

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