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なぜビジネス書は間違うのか-ハロー効果という妄想 [本(論理思考]

『なぜビジネス書は間違うのか』
フィル・ローゼンツワイグ(経営学)
日経BP社(2008)


微妙。
ビジネス書が科学的でないことを指摘した本。

当たり前という気がするが……
否定の否定は肯定ではないことを知るべき。

ソーンダイクのハロー効果とは?
優秀なものは
すべての点で優秀と認識されること。
企業パフォーマンスを決定する要因と
思っている多くの事柄は、
業績を知ってそこに理由を帰した特徴に過ぎない。
要するに後付けなのである。
優れた人材が成功に導くのでなく、
成功すると優れた人材が揃っていると見なされるという。

思うに、これは後者は前者を否定する文章でない。
成功すると優れた人材が揃っていると見なされたからといって、
優れた人材が成功に導いたことを否定することにはならないのだ。

科学的に検証に耐えるレベルにないこと。
ただしその条件では自分でも何も言えないことも述べている。

それじゃ意味がないんだが。
まずこれでは人文系の研究はほとんど否定されてしまう。
ビジネス書に求める要求水準が高すぎるだろう。

しかも条件を高めたのに、
自分はその高めた条件に沿った内容は提示していないのだ。

また問題のスケールを見間違っている。
時空間における因果関係の論理ブロックには大きさがあり、
それぞれブロックの大きさの違いごとに、
異なる因果関係が並行して共存するのだが、
著者は対象の本よりも小さいブロックで論じている。
これではかみ合わないのは当たり前である。

実はこの本は、対象としている本の主張を否定していない。
主張の方法を否定しているだけなのだ。
主張の方法を否定するというのは、
相手の主張の正解率をランダムに近づけるということであって
打ち消すことはできない。
だからこの本の方法では、
「そんなに説得力はないよね」としか言えないのだ。

ビジョナリー・カンパニー2の問題点。
ビジョナリー・カンパニー2のメッセージは、
目標を絞ってねばり強く追いかければどんな企業も偉大になれる、
目標を明確に設定して不屈の精神でやり遂げろだという。
また言葉がうまいと指摘する。
第五水準のリーダー、ストックデールの逆説、
カッテージチーズを洗う、ハリネズミと狐、弾み車と悪循環など。
さらに偉大な企業は安定した業界の企業に過ぎないことも指摘する。

あれ?ビジョナリー・カンパニー2の主張ってこんなんだったっけ?
私は全く気づかなかったんだが。
私が一番重要な主張と理解したのは、
方向性決めるより先に人を集めろだったのだが……
確かにこの主張が主旨ならくだらないことに同意する。

・今日の一言
ソーンダイクのハロー効果。優秀な人はすべての点で優秀と見なされ、駄目な人はすべての点で駄目だと見なされる。
손다이크의 후광효과(halo effect). 우수한 사람은 모든 점에서 우수로 간주되고, 열등 사람은 모든 점에서 열등으로 간주된다.
桑代克的光环效应。大家认为优秀的人是什么地方都优秀,不好的人是什么地方都不好。
Thorndike's halo effect. We consider an excellent person is excellent in all points and an useless person is useless in all points.

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