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「学び」から逃走する子どもたち(岩波ブックレット) [本(教育]

『「学び」から逃走する子どもたち』
佐藤学(教育方法学)
岩波ブックレット(2000)


学校教育における最大の問題は学習意欲の低下である。

日本の小中学校は荒れて崩壊しているのか?
小学生の93%、中学生の92%が学校は楽しいと回答している。

不登校は多いのか?
日本の不登校の基準は年30日以上の欠席だが、
アメリカでは30日休んでも皆勤賞が得られる。
不登校率1%の日本は、今も世界でトップレベルの就学率である。

学級崩壊はどんな学校に起こるのか?
学級崩壊の学校の特徴は、
校長が責任を取らず担任が取る教師の孤立した学校。
生徒より先に教師が崩壊しているのである。
そしてまた、学級崩壊は私立校でこそ深刻だということも重要だ。
私立に行かせればという判断は正しいとは言えない。

学校における最大の問題は、
いじめ、不登校、学級崩壊、少年非行ではない。
「学びからの逃走」こそが問題なのである。
子どもの家庭での学習量は世界最低であり、
科目を嫌う度合いも世界最高レベルであるのだ。

世界の学習法を学ぶべきである。
今や黒板に一斉に向かって学習するのは時代遅れ。
20人程度のクラスで、
テーブルを小グループで囲む協同学習が基本になっているのだ。

学習はわかる問題まで遡ってはいけない。
わからなくても何度も模倣させるべきだ。
底辺高校の生徒の学力診断があった。
小中とずっとオール1の生徒の学力はどのぐらいだったか?
多くの教師は小学校4年レベルと推定していたが、
実際は小学校6年レベルだった。
小学校低学年の内容は、
上級に上がったときに繰り返されて理解されたのだ。
学習は単なる積み上げではないである。

分数のできない大学生の原因とは?
これは単に大学入試の科目数削減と高校の選択中心教育課程の弊害。
学力は試験に合わせて作られるのだ。

学力格差はどこから生まれるか?
過去30年間、学習内容を削減し続けたのに、
大学入試や高校入試の水準は変化していない。
結果、学校外で学ぶ重要性が高まり格差の増大につながるのだ。

・今日の一言
真の問題は子どもの学習意欲の低下である。
진정한 문제는 아이들의 학습 의욕의 저하이다.
真正的问题是孩子们的学习热情下降了。
The true problem is a decline in the children's desire for learning.

タグ:佐藤学
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コメント 2

はっこう

子どもたちは「学び」よりは「享楽」の時代ですね。
by はっこう (2008-03-25 08:40) 

Kay-akira_Hirota

学習は楽しいものであるべきですよね。
by Kay-akira_Hirota (2008-04-29 05:31) 

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