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心理学ってどんなもの(岩波ジュニア新書) [本(心理学]

『心理学ってどんなもの』
海保博之(応用認知心理学)
岩波ジュニア新書(2003)


いい本なんだけどジュニア新書にしちゃ難し過ぎ!

心はいつから発生するか?
あるいはある動物に心はあるのか?
進化のどの時点から心はあるのか?
これらは実はすべて心の定義問題なのだ。
私たちが何に心を感じるかという問題なのである。

心の三領域構造を知る。
意識化可能な領域、すなわち思考過程や問題解決過程など。
努力によって意識化可能な領域、記憶過程や性格の自己認知など。
意識化不可能な領域、すなわち痛覚のメカニズムやパターン認識など。

占い師と心理カウンセリングの類似点。
・相談者への共感すること
・傾聴により悩みの自覚とカタルシスを与えること
・自力解決の支援すること

対人理解の方法の3種。
投影的理解とは、自分を見るように相手を見ること。
共感的理解とは、相手の立場から相手を見ること。
因果的理解とは、相手の心の原因を考えること。
これらを組み合わせるのがよいわけ。

科学の方法による分類。
・経験科学
物理学など実験と検証による。
・形式科学
数学、論理学など思索による積み重ね。
・シミュレーション科学
認知科学などモデルによるもの。

そして経済学も、シミュレーション科学に入ると思う。

ガードナーの多重知能論。
・言語、弁護士や作家
・論理、科学者
・内省、宗教家
・音楽、音楽家
・運動、スポーツ選手
・対人関係、商売人
・空間、パイロットや建築家
能力からみた適正がわかる。
能力が性格を作るという観点も面白いかなと思った。

p162の説明がどうも変な気がする。
コインを5回投げたときの確率について。
a.表表表裏裏
b.表裏表表裏
aとbはどちらが確率が高いか?
ほとんどの人は、bが高いと答える。
ランダムに見えるのでありふれて見えるための錯覚である。

ところが著者は、
一回限りでは生起確率は1/5の5乗で同じだが、
コイン5回投げを無限回数にすると後者の方が確率が高くなるという。
そして人間は案外直観的に統計的に正しく認識しているというのだ。

うーん、わからん。何か勘違いしていると思うのだけど。
無限回数にしても確率は同じと思うのだが……

『誘惑される意志』
ジョージ・エインズリー(精神科医)
NTT出版(2006)


文章が難しすぎる。主旨が見えにくすぎる。

人々の割引曲線は指数曲線でなく双曲線。
理論的に正しい指数曲線よりしなりが強いのだ。
少し遅れてやってくる大きな利益より、
その手前のコストが直前には大きく見えるということ。

そしてそれはハトやラットも同じく双曲線を示すらしい。

『「待つ」ということ』
鷲田清一(臨床哲学、倫理学)
角川選書(2006)


待つことを巡る哲学的思索。

オルタモントの悲劇。
ストーンズのコンサートでは死人が出たらしい。
過激だな。

傾聴ボランティア。
言葉が止まったら"いま何考えていました?"と聞くらしい。
確かにわざとらしくて嫌だな。

認知症の行動はコーピング、対抗戦略。
痴呆ケアで重要なのは解決でなく転換や消失。
痴呆は治療するというより、適応させるのがいいのだろう。

・今日の一言
心を持つかどうかは心の定義次第で決まる。
마음을 가질 것인가 아닌가는 마음의 정의에 따라 결정된다.
有没有精神是由精神的定义所决定的。
Whether it has a mind or not depends on definition of mind.

タグ:海保博之
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コメント 2

実はあまり心理学を信用していません。理由は、、、深く追求したことがありませんが、どれもこれも納得できないからです。
by (2008-01-29 12:34) 

Kay-akira_Hirota

心理学はいろいろあって、みんなバラバラですからねえ……
by Kay-akira_Hirota (2008-01-30 00:07) 

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