SSブログ

21世紀の国富論 [本(世界事情]

『21世紀の国富論/原丈人/平凡社/2007』
著者:ベンチャー・キャピタリスト
評価:IT産業と株主優先の幻想を捨てて次を探る。新時代への宣言。

さまざまなブログで人気なので読んでみました。
原丈人「21世紀の国富論」(小鳥ピヨピヨ)
ずっと米国のターン?「21世紀の国富論」(スゴ本)

・株主優先経営の幻想
買収と売却の繰り返しでアメリカの工作機械メーカーは衰退した。
工作機械という産業ジャンルごと失われてしまったのだ。

CEOゴロ
必要以上のリストラで株価を下げ、
自分にストックオプションを付与し、
株価が上がったらそれを行使する。
全く価値を生まず自分だけが稼ぐ錬金術である。

公開企業のストックオプションを廃止すべきという。
ストックオプションは、
本来オーナー以外の人々に低い金額で株主になってもらうための機会だから。

株主優先経営を徹底するとする。
すると株主価値が最高のときに会社を解散するのが
ベストになってしまうらしい。
まさに従業員も顧客も無視した本末転倒な考え方と言えよう。

・IT産業の幻想
パソコンは意外と進歩していない。
1979年のパソコンは起動に2分かかったが、それは今も変わらない。

IT産業は新しい製造業だ。
いわゆる物作りは物的工業製品を作るが、
IT産業は知的工業製品を作っているのだ。

知的工業製品には原材料が必要ない。
するとグロスマージン100%の会社マカフィーのようなケースが生まれる。

IT産業=知的工業製品の製造業と考えると、
ソフトバンク・楽天・ライブドアなどはサービス業であって、
IT産業ではないらしい。

IT産業の次に来るのは、
機械が人間に合わせる時代。
2015年頃にはパソコンの姿が消えるという。

・次世代の重要なキーワード
ピア・トゥ・ピア
PUC(パーペイシブ・ユビキタス・コミュニケーションズ)
IFX理論
インデックス・ファブリック理論
ソフトウェア・スイッチング
XVD
など。

いまいちよくわかりません。
どこかにわかりやすい解説ないかな?

これら新しい技術は、
ユビキタス・コンピューティングとは違う、
使い勝手の悪いコンピュータが遍在しても仕方がないという。

でも、やっぱり本質的には同じと思う。
ユビキタス・コンピューティングというとき、
使い勝手の悪いコンピュータを想定していないでしょうよ。

経済が文化をつくり技術が政治をつくる。
著者は新しい民主主義の時代を予感する。
もしかすると本物の直接民主主義の時代が来るのかもしれない。

モノ言う株主とは、企業の中長期経営に必要な内部留保を狙う存在。
これを防ぐには、
・大幅な増配には過去の株主にも分配すること
・株主権を行使するなら最低五年の株式保有を義務づける
これはアメリカの企業経営者にも賛同が多いらしい。

低税率の国を実現して日本に外国企業を呼び込むという。
これは同意できない。
税率ではなく消費者と市場の育成が必要だ。
『「新中流」の誕生/和田秀樹/中公新書ラクレ/2006』
企業にとって本当に魅力があるのは、市場である。
どんなに売りやすい環境があっても、
買う人がいなければ意味がないのだ。

・今日の一言
2015年、オフィスからパソコンの姿が消える。
Personal computers will disappear from offices in 2015.
2015년, 회사에서 PC가 사라진다.
2015年,电脑将从办公室里消失。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。