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派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる(宝島社新書) [本(格差問題]

『派遣のリアル』
門倉貴史(エコノミスト)
宝島社新書(2007)


データと実例が豊富で平易な良書。
派遣の実態を知る。

フィラデルフィア宣言
"労働は商品ではない"
商品のような価格設定をすれば、
働く側が圧倒的に不利なのだ。

派遣先企業から派遣会社が
受け取るマージンは3割が標準。
しかしトラック運転手の助手のケースでは、
派遣元は15000円出したが、日給は7000円だった。
けれども、ある派遣会社支店長の年収は500万だったという。
派遣会社は会社ごとの違いが大きいようだ。

大卒女子正社員の生涯賃金は2億。
対して、非正社員は1億。
違いがありすぎる。

米国では同一労働同一賃金が確立されている。
日本も、同一労働同一賃金でなければならないと思う。
はっきりと法律で規定するべきだろう。

派遣期間を延ばす企業のウラ技。
業務は同じでも所属部署の名称を半年ごとに変更して、
永遠に派遣で使えるようにするわけ。

企業は派遣を人間と見ない。
派遣社員を扱う部署は人事ではないのだ。
ある会社では公務部であり、ある企業では調達部であった。
派遣社員は調達すべきただの部品でしかないのだ。

著者はいう。
本来仕事はそれ自体が生きる目的で楽しみながらするべきこと。
マルクスの労働の疎外。
労働が生活費を稼ぐ単なる手段に成り下がる現象が起こっていると。

これは理想であるけれども、
決して忘れてはいけない理想だと思う。

『労働CRS入門』
吾郷眞一(国際労働法、国際法)
講談社現代新書(2007)


公正労働基準を担保する
民間認証機構の実態と意味

公正労働基準を担保するのが民間認証機構。
民間認証機構のSAIの収入の
半分以上が米国政府の財政支援。
政府の外交方針の一貫なのである。

こうして途上国に児童労働をただ禁止しても、
児童はもっと危険な業種に転向するだけ。
児童労働は、根底にある貧困を除かないと意味がないのだ。

・今日の一言(フィラデルフィア宣言)
労働は商品ではない。
Labour is not a commodity.
노동은 상품이 아니다.
劳动非商品。

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