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漢字の社会史-東洋文明を支えた文字の三千年(PHP新書) [本(東洋史]

『漢字の社会史/阿辻哲次/PHP新書/1999』
著者:中国語学、文字学、漢字の文化史
評価:東アジアにおける漢字を役割を知る良書

古代の本の大きさ。
孝経は1尺2寸、論語は8寸の木簡を使う。
本の偉さで、大きさが違うのだ。

朝廷からの急ぎの連絡である檄。
長さは尺で鳥の羽根をつけるという。
鳥のように急げというわけ。

古代の名刺・謁。
姓名だけでなく挨拶と用件を書き添える。
だから長さ25.3cm、幅3cmもあった。
……持ち運ぶのに不便そうだ。

紙と絹の関係。
紙は絹の代用品だった。紙は普及用で、いい本は絹なのだ。

丸文字は0.5mmシャーペンで横書きすると自然になる書体らしい。
可愛いから書いていたわけじゃなかったのか。

漢代の役人採用試験。
17歳以上男子に実施。
9000字の文章を何も見ずに書き、
その漢字を6種の書体で書き分けさせる。
そのため書館という塾もできたという。
後漢は特に教育の発達した時代だからね。
傭書という本を書き写す仕事も流行っていた。

発掘された唐代の論語の書き写し。
書いたのは12歳の卜天寿。
末尾にには早く帰りたいという落書きがあったという。
エジプトの学校でも似たものがあったようだ。

漢文は省エネ的文章記録法という。
文章と音声言語の差が大きくなったのは、
書写材料が青銅だったり亀甲だったりして、
制約があるので字数を少なくする必要があったため。
漢文とは、あくまでも中国語の文法に従った、簡易中国語なのだ。

東アジア最大のベストセラーは論語らしい。
東の論語、西の聖書ってわけだ。

『書を楽しもう/魚住和晃/岩波ジュニア新書/2002』
著者:書家、筆跡学
評価:書の歴史

唐太宗は王羲之の書2000余作を所有した。
李世民は趣味が結構文化的だな。

写経生は一字の間違いでも罰金。
厳しい仕事だ。

神社に10年暮らした良寛和尚。
お坊さんなのに神社って……日本は適当だなあ。

・今日の一言
論語は東アジア最大のベストセラーである。
Analects of Confucius is the best-selling book in East Asia.
논어는 동아시아 최대의 베스트 셀러이다.
论语是东亚最大的畅销书。

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