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脳の中の「私」はなぜ見つからないのか-ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史 [本(脳科学]

『脳の中の「私」はなぜ見つからないのか/前野隆司/技術評論社/2007』
著者:ロボットとヒトの研究
評価:人工知能研究者の意識哲学論。なかなか面白い。

著者の考えは、
自由意志の決定でなく誰かによって自動的に決定される。
物質世界とは独立な自由意志は存在しない。
自由意志は存在しないわけではないが、
物理世界の法則に従って決定されている。
このあたりは私もすべて同意する。

斉藤憲典氏の意見はなかなか面白い。
斉藤憲典の現象一元論。
脳と心の関係は基づけ関係という。

河野哲也
アフォーダンスは因果的な出来事と関係づけて理解すべき。
毒は病気をアフォードするなど。
自由意志とは行為の選択制が見つかるということ。
これもまあ同意するところ。

思想史の解説や哲学者との対談などかなり面白い。
ただ正直言って、意識について知るのなら、この本の内容より、
私が10年前に書き、2001年に出した本の方が進んでいるし、
私のHPの方が詳しいと思う。

簡単に説明しておこう。

脳と心の関係。
まず知っておくべきことは、
世界は現象が構成要素であり、物質とは虚構であること。
あらゆる存在は時間を含む存在なのである。
時空間的存在である現象によって世界は構成されているのだ。
その中で、連続的に継続している現象を認識し、
時間を捨象することで物質というものを仮説しているのである。

時間のない"ある瞬間"には心はない。
ある瞬間には何もないのだが、
そこに何かがあると仮定されているものが、物質である。

だから、私は現象一元論者ということになろう。
斉藤憲典氏の現象一元論と同じかどうかは、
氏の著書を後で確認しようと思っている。

物質というのは、波動関数というミクロ現象の継続現象のこと。
対して心というのは、脳-身体という物質が生み出す現象のことである。
これはスケールの違いなのだ。


マクロ現象である心とミクロ現象である物質、
そしてそのミクロ現象の合成としての脳がある。

宇宙という四次元体を考える。
物質と精神の違いは、宇宙をどのように切り分けるかという違いである。

脳と心の関係とは、野球場と試合の関係である。
脳という場所を中心として起こる現象が心なのである。

世界を認識するための、切り分ける方法が違うのだ。
だから脳と心の関係は因果関係ではなく、相関関係なのである。

・今日の一言
自由意志とは行為の選択肢が見つかるということだ。
Freewill is to find the choices.
자유 의지는 행위의 선택지가 발견된다는 것이다.
所谓自由意志是能找到选择方案的。

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