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大正デモクラシー(岩波新書・シリーズ日本近現代史④) [本(日本史]

『大正デモクラシー/成田龍一/岩波新書/2007』
著者:日本近現代史
評価:大正時代の思想潮流を知る良書

20年代の思想潮流は3つ。
民本主義、マルクス主義と社会主義、国粋主義。

ポーツマス講話条約と日比谷焼き討ち事件。
日本に損な講話だと反対したのだ。
現実を知らないというのは恐ろしいことである。

焼き討ちする人々には旦那層と雑業層の二つ。
中国での反日運動の2層構造と似ている。

朝鮮戸籍は日本内地の戸籍と区別され、移動はできなかった。
これなど、中国の都市戸籍と農民戸籍を思わせる。

明治や大正を学ぶと、現在の中国についてよく理解できる。

美濃部達吉の天皇機関説。
国家は法人、天皇は国家の最高機関とした。
これは当時、天皇を貶めているとして論争になったらしい。

朝鮮の都市。
併合直後のソウル人口は24万人でそのうち日本人が6万人。
釜山7万人で、日本人が3万人。
どちらも小さな町である。
朝鮮は商業が発達しておらず、都市も小さかった。

気になること。
p136に南宮壁の名前があり、以下、南はと記載されるが、
姓は、南宮という複姓じゃないかな?
それとも日本名として南と書いたのかな。不自然な感じ。

済州島は日本への入国制限なし。
なるほどそれで在日には済州島出身が多いわけだ。

帝国主義に反対する石橋湛山
大日本主義の幻想として、植民地放棄を提唱していた。
植民地より貿易の方が儲かるのである。

弁護士布施辰治の借家人同盟。
この人はいろいろなことで活躍している。
韓国では「日本人のシンドラー」と呼ばれているらしい。

1920年代。産児調節の問題が起こる。
子どもが多いから貧しいと考えられたのだ。
後の産めや増やせよとは大きな違いだ。

主婦之友は20万部以上売れていた。
主婦之友って本当に古い雑誌なんだ。

沖縄研究者の伊波普猷は日本と沖縄の同祖論を唱えた。
現在の研究では、
沖縄の人は3世紀に九州から移動したと考えられており、
同祖なのである。
しかし、わざわざ同祖論が唱えられていたということは、
当時、沖縄の人は全くの外国人と考えられており、
準植民地であったことがわかる。
これを知らないと沖縄の人の心理は理解できないだろう。

・今日の一言
国家は法人であり、天皇は国家の最高機関である。(美濃部達吉)
The state is a corporation, and the emperor is the highest organ.(Minobe Tatsukichi)
국가는 법인이며, 천황은 국가 최고 기관이다.(미노베 다쓰기치)
国家是法人,天皇是国家的最高机关。(美浓部达吉)

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