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世界金融経済の「支配者」-その七つの謎(祥伝社新書) [本(世界事情]

『世界金融経済の「支配者」/東谷暁/祥伝社新書/2007』
著者:経済ジャーナリスト
評価:国際経済の実態を知る良書

エコノミストの評論。
"中国はモノを作って儲けアメリカはカネを作って儲けている"

ドルは、国外に国内の6倍存在する。
アメリカは文字通り紙幣を刷って物を買っているのである。

そして金融のマジックでお金を稼ぐ国である。
アメリカ人家庭の52%は株式か投資信託を持っているのだ。

有名な経営者ウェルチ。
GEはウェルチにより家電製造業から多角的金融業になった。
エジソン以来の家電部門を売り払いノンバンクになったという。
GEはもはや銀行なのだ。

そのGEの調査からモノ作りを研究したのがドラッカー。
経営者の報酬が平社員の10倍になったらその会社は赤信号というが、
現在のアメリカは既に500倍である。

英国では企業買収は現金のみ。
企業買収などアメリカを基準に見るとおかしなことになる。
アメリカはかなり変な国なのだ。

ユダヤは世界の支配者か?
イラク開戦では、アメリカのユダヤ人の52-62%が反対した。
商業銀行のほとんどはユダヤ系ではない。
90年アメリカに、宗教ユダヤ人は439万人、民族ユダヤ人は+112万人、
大富豪の1/4はユダヤ人であり、金融ビジネスの半数を占める。
ただし、利害が対立してユダヤ系同士のつぶし合いも多く、
ユダヤ陰謀論は正しくない。

アジア経済危機の正体。
IMFの純粋資本主義がアジアの縁故資本主義を処分しようとした。

アメリカのグリーンスパン神話。
物価上昇率の計算方法を変えて労働生産性の上昇を演出しただけらしい。

中国崩壊説を唱えるのは、
日本の保守系反中評論家と反体制派中国人がほとんど。
まあ、普通は崩壊というより、減速すると見るのが妥当だろう。

日本銀行は日本国債を財務省から直接購入できないのに、
アメリカの国債を買う資金は日銀から調達できる。
確かに矛盾している。

資本移動の自由化という金融政策にパワーエリート論が成立する。
資本移動の自由に対しては、共闘する集団があるのだ。
国家という組織はこれに逆らわなければならないと思う。

・今日の一言
中国は物を作って儲けアメリカは金を作って儲けている。(エコノミスト)
China makes money by making things, the United States makes money by making money.(The Economist)
중국은 물건을 만들어서 돈을 벌고, 미국은 돈을 만들어서 돈을 벌고 있다.(경제학자)
中国制造东西赚钱,美国制造钞票赚钱。(经济学人)

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