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看護の心を科学する-解説・科学的看護論 [本(医療問題]

『看護の心を科学する』
薄井坦子・三瓶眞貴子(教育学、看護学)
日本看護協会出版会(1996)


看護の現場で
科学的に考えるとはどういうことかを知る。

科学の方法の3つ、目的論、対象論、方法論。
必要な過程を分解する方法を公式化して考える。
看護の現場は、哲学や科学と違い常に時間との戦いであり、
思考を法則化して、迅速な行動を取れる必要があるのだ。

ナイチンゲールの看護の定義
看護とは生命力の消耗を最小にするように生活過程を整えること。

専門が異なる場合には、
論理を通してでなければそのことを理解するのは困難だという。
これは科学が数学という言語を基本にする理由でもある。

病気には外因によるものと内因によるものがあるという。
それぞれを根治するには、真の原因を修正する必要があるのだ。
漢方ではしばしば漢方こそ人体の異常を修正して、真に治すといい、
西洋医学は、本当の原因を取り除かない対処療法というが、
ここには勘違いがある。
病気の原因は、病原菌や負傷など外部からの外因の場合と、
自己の体力などホメオスタシスの低下による内因の場合がある。
外因の場合に、人体を調整しても根治ではなく、また再発するし、
内因の場合に、病気のみを取り除いてもまた再発する。
漢方は、人体の自己治癒力が低下したための内因の病気には根治だが、
外因の場合には全く根治ではないのだ。

弁証法の三大法則
・質量転化の法則
 量が一定量を超えると新しい状況が出現する
・相互浸透の法則
 人間の事象は相互因果であり、どちらが原因とは言い難い
・否定の否定の法則
 問題解決には、対立を2重に乗り越えた新しい視点が必要となる

問題が発生したときは、
どんな対立が発生しているのか矛盾の存在を探る。
そしてその対立を解消することで、問題は解決されるのである。

『看護のための人間科学を求めて』
楽学舎(大阪の看護職の勉強会)
ナカニシヤ出版(2000)


これだけの内容で一冊にするというのはどうも……

自然科学は普遍的事実の実証、
ここで人間科学として共同的な実践を考えるという。
筆者たちは社会科学という言葉を知らないのだろうか?

日常場面から見る限り心は脳の中にあると感じていないという。
書き手だけで脳の中という人が多いですが?
心は皮膚の中にあると感じているのが素朴な常識だという。
そんな人はあまりいないようですけど?

何が現前するかはどのような集合体に属しているかで決まる。
これはアフォーダンスの考え方に近づくものとして面白い。

・今日の一言
問題解決とは矛盾する要素を特定し、それを解消することだ。
문제 해결은 모순하는 요소를 골라내서, 그것을 해결하는 것이다.
问题解决是明确矛盾因素而解除那个。
Problem solving is to identify conflicting elements and resolve them.

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