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リアルジャスティス-修復的司法の挑戦(RJ叢書) [本(法律と犯罪]

『リアルジャスティス』
テッド・ワクテル(教育学、組織リアルジャスティス)
成文堂(2005)


修復的司法の実例の解説。
新しい法思想を知る。

修復的司法の特徴。
加害者に受身でなく積極的に責任を取るように求める。
加害者の責任とは刑罰を受けることでなく、
被害者に共感し被害を修復することと考える。
司法の論理性より、当事者たちの感情の表出が許され求められる。
被害者の心の回復に重点があるのだ。

被害者家族が加害者に直接自分の気持ちを伝え疑問をぶつけることで、
気持ちが癒されるという。
また、被害者の感情の修復の効果があるだけでなく、
加害者に被害者の感情を知らせる機会を作ることにもなる。
これにより加害者の心を変える可能性もあるとされる。

最も苛酷な例として、レイプ殺人犯との対面する家族のケースもあった。
この場合でも、決して相手を許す気持ちになるわけではないが、
被害者サイドに心の区切りをつける効果があるようだ。

カンファレンス=話し合いにより解決をはかる方法は、
もともとはマオリ族の伝統であったのが、
ニュージーランド司法に取り入れられ、
さらにオーストラリア警察により行われているらしい。

研究者にも支持する意見がある。
ブレストウェイトは、今までの司法の考え方を逆転させた。
なぜ悪事を働いたのかでなく普通の人はなぜ正しいことをするのか?
こう考えると、家族と友人の存在が鍵となる。
周囲の人間関係こそが効果的なのである。

人間関係の修復に重点をおく修復的司法では、
加害者の再犯率も低いと見られている。

著者は厳罰主義のアメリカに疑問を持っている。
アメリカの囚人は1986年に74万人だったのが、
1996年には163万人になった。
そして今は、200万人を超えているのだ。

『修復的司法の探求-RJ叢書』
高橋則夫(法学)
成文堂(2003)


修復的司法についての概念の話。
実例がなく面白くない。

修復的司法が従来の応報的司法とどう違うかと列挙。
考え方の話ばかりで、実践例や結果や分析がほとんどない。

通り魔被害者の治療費は自費だが、
加害者の治療費は国が全額負担されるという、
被害者放置の現在の司法体系。
被害者の思い、なぜ裁判官に謝って被害者に謝らないのか。

犯罪を人間関係の破壊とし、
その関係を修復することを司法の役目と捉え、
被害者や周辺の関連する人たちも参加するのが修復的司法である。
犯罪者への教育効果と、被害者の満足度は高いようだ。

難しい点としては、暴力団などの場合、
加害者に恐怖して刑罰が曲がる可能性があるように思う。
あるいは、同じ犯罪でも被害者の当たりはずれ次第で、
罪の重さが変わってしまう可能性も否定できない。
考えるべきことは多いが、これからの司法体系だといえよう。

・今日の一言
加害者の責任とは刑罰を受けることでなく被害者に共感し被害を修復することである。
가해자의 책임과는 형벌을 받는 것이 아니고 피해자에게 공감하고 피해를 회복하는 것이다.
加害者的责任不是受到刑罚,而是同感受害者回复受害。
Perpetrator's responsibility is not to receive penalty, but to sympathize with the victim and restore the damage.

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