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環境問題はなぜウソがまかり通るのか(Yosensha Paperbacks) [本(農業と環境]

『環境問題はなぜウソがまかり通るのか/武田邦彦/洋泉社/2007』
著者:資源材料工学
評価:データも主張も面白いが、論理展開が矛盾だらけ

リサイクルしてから販売量が4倍に増えた。分別したからという。
これは単に相関しているだけで、
単にペットボトルが安くて便利なだけだろう。

一人当たり資源使用量は、アメリカは日本の4倍、ドイツは2倍。
日本こそ資源を大切にしている。
単位GDP当たりの資源消費量で見ても、
リサイクルを始めた90年から他国に追いつかれつつあるという。
少し変だ。これは相関と因果を混同している。
90年からというと、不況が始まった時期であり、
単位GDP当たりで数えれば消費量の低下が止まるのは当然のことだ。

1本のペットボトルをリサイクルするのに、
1本作るに使う3.5倍の石油を使う。
ペットボトルは焼却するのが環境にも良いという。
ところが、使用済みペットボトルは、
中国でリサイクル資源として需要が高まり輸出しているともいう。
輸出して採算が合うのなら、資源として使えるように思えるけども……

北極の氷が溶けても海水面は上がらないという。
これはグリーンランドがあるので間違い。

海水面上昇は海の水の膨張によるものがほとんど。
これは正しいらしい。

電気を自分で使えば一度使われるだけだが、節電して貯金すると、
銀行に預けたことで2回使われ石油消費も2倍になるという。
バカか? 馬鹿馬鹿しくてコメントする気になれん。
経済学の勉強しなさいな。

森は二酸化炭素を吸収するというのは嘘という。
杉の木は炭素を貯めるが、
枯死して微生物に分解されると二酸化炭素になり差し引き0だから。
あのー、森を増やせば吸収するわけですし、
木材として使用してる分だけは減るわけで、嘘とは言えないでしょう。

飛行機より新幹線にのると、二酸化炭素を出さないは嘘という。
作るときにエネルギーを使うからだ。
これも既にできているんだから無視するのは当然でしょ。
新幹線を新しく作れば環境に優しいと主張すれば嘘かもしれないけど、
新幹線にもっと乗ろうは間違いにならないでしょうが。

暖かいことは悪いことではない、気温が急激に変わることが問題という。
これはその通り。

京都議定書なしたど1℃上昇を防ぐが、
機能しているのは0.7%なので0.993℃上昇にとどまる。
効果がなさ過ぎるという。
京都議定書なしたど1℃上昇を防ぐという計算が知りたいところ。

粗大ゴミ回収は平均500円だったのが、
家電リサイクル法で平均3500円になった。
また、ちり紙交換屋さんは東京都の特定業者に敗れたという。
古紙の値段は、1985年までは1kg10-50円程度だった。
ボランティア化することで今は8円になった。
これは、製紙業がちり紙交換業に払っていたお金を、
市民が税金として製紙業へ払うことに変わった、ということだという。
まあ、利権というやつですな。

確かに、リサイクルは一種の税金と思う。
お金で税金が取れないので、
ゴミの分別という、強制労働による税金を考えたわけだ。
これはそもそも憲法違反という話も聞く。

日本の火災の死者数2000人超える。ところが50年前は500人だった。
昔は燃えにくいハロゲン化合物や塩ビを使っていたかららしい。
ちなみに同じ時期、アメリカは7000人から約4000人に減り、
イギリスは500人から600人に微増で済んでいる。
火災死者の4倍増は洒落にならん。
これは真剣に考えるべき問題と思うけど、
原因は建材で確実なんだろうか。

どうも全体に、議論が不安定なものばかりだ。
これではどうしても疑いを持ってしまう。
主張が面白いだけに残念なところ。

※07/07/26追記
ダイオキシンの無害性の問題があるが、
ダイオキシンと呼称する範囲に問題があるようだ。
環境問題ではダイオキシン類として範囲を広く取るのに、
武田氏は最小限の範囲で語っているらしい。
環境経済学の本でさらに確認してみようと思う。

『環境問題のウソ/池田清彦/ちくまプリマー新書/2006』
著者:構造生物学
評価:環境問題での異論を紹介したもの

温暖化の太陽主因説。太陽黒点数と気温が相関しているという。
17世紀の寒冷期も黒点のないマウンダー極小期だったらしい。

ダイオキシン騒動はその裏の利権があるという。
ブラックバスに滅んだ日本の生物種はないという。
特定外来生物被害防止法、ダイオキシン法などを、
利権からみのものと見ている。

・今日の一言
ゴミの分別は強制労働だ。
Separating trash is forced labor.
쓰레기의 분별은 강제 노동이다.
分类收垃圾是强迫劳动。

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