SSブログ

魂の文章術-書くことから始めよう [本(読書と文章]

『魂の文章術/ナタリー・ゴールドバーグ/春秋社/2006』
著者:詩人、作家、創作クラス講師
評価:創作文の訓練法・良書

詩や小説などの創作文の訓練方法を提示する。

書くときのルール
・手を動かし続ける
・文を読み返さない
・書いたものを消さない
・心に浮かんだことにすぐ飛びつく

このあたりが議論のための文章と違うところ。
自分の感性を信じて取り出すことが大事なのだ。

自分自身の声を信頼して、
出て来た文章をコントロールしようとしないこと。
自身という存在を消して、
自分の中に流れていく思考を記録するのだ。

著者は禅を修行したが、
禅と創作文には通じるものがある。
自分を消して、今現在に生きることである。

やる気が出るまで待ったりしない。
それだといつまでもその時期はこない。
一定量を書き続けることが大切。
著者は一月に一冊のノートをノルマにしていたという。

書くときは動物になる。
言葉を紡ぐのに言葉は要らないのだ。
言葉を言葉にしてはならない。
知覚を言葉にするのである。

物書きとは歴史を築くディテールの運搬人。
ディテールを描き出すことで、その世界に読者を引き入れるのである。
だから、作家は感情について語らない。
"怒った"とか"喜んだ"とかは書かないのである。
知覚されるものを描写することで感情を表現するのだ。

小説では最後にすべてのことがまとまらなければならない。
これが詩と違うところで、小説ではアウトラインが必要になる。
『幼い子の文学/瀬田貞二/中公新書/1980』
で述べられる、行っては帰る物語が基本である。

著者は仏教徒であり、禅の修行をしていた。
仏教の師の言葉
あなたが現在にいるとき世界は真に生き生きとする。

禅とはまさに今現在を生きるためのものである。
禅では、師が大声で一喝したり、
あるいは棒で打ったりすることがあるが、
これはその肉体の存在を相手に知らしめるためである。

あなたは今どこにいるのか?
今現在あなたはこの肉体を持って
今ここに生きているではないかと、
喚起しているのである。

・今日の一言
動物になって心に浮かんだことを書いてみよう。
Become an animal and write down anything that comes into your mind.
동물이 되고 머리에 떠오른 것을 써 봅시다.
变了动物而把脑子里浮现的事写出来吧。

nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 1

おかあ

やる気が出るまで待ったりしない、
目からウロコです。
この一行、たいへん気に入りました。
by おかあ (2007-05-28 11:52) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。