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独裁君主の登場 宋の太祖と太宗(清水新書) [本(東洋史]

『独裁君主の登場 宋の太祖と太宗』
竺沙雅章(東洋史、宋代)
清水新書(1984)


五代の始まりから宋の完成までを概観できる良書。

朱全忠の善政。朱全忠は民衆を大切にした。
悪の権化のような朱全忠だが、
民衆から見ると、後唐の方がひどいようだ。

後唐の明帝は、名君である。
自分では天下は統一できぬと、
早く聖人が生まれるように願った。
そして、その願いにより生まれたのが、
趙匡胤というわけ。
色黒く猪に似た聖人かよ!

趙匡胤は豪放だけど、神経質。
なんと口癖は「心配で眠れない」
たひたびお忍びの外出をしたけど、
それも心配で家臣に相談に行ったり民情視察したもの。

劉秀がお忍びで遊びに出かけて、真夜中に帰ってきて叱られるのと、
だいぶ違うなあ。趙匡胤は根が真面目だね。

宋太祖趙匡胤の十兄弟って誰よ? 誰か教えて。
『飛竜全伝』読んだら載ってるかな?

※追記:検索したらわかった。
楊光義、石守信、李繼勛、王審琦、劉慶義、
劉守忠、劉廷讓、韓重贇、王政忠、趙匡胤
らしい。

宋太宗が一年で読み終えたから本の名前が『太平御覧』
知らなかった。雑学だなあ。

宋太宗は酒を飲まない。
酒を飲まない名君を、後漢光武帝、唐太宗、宋太宗の三人確認。

宋太宗は些細な案件でも自分で処理。
小さな仕事はしないは嘘という。
やっぱり名君はみんなそうだ。ああでも、王莽も始皇帝もそうだけど。

宋太宗の辛口評論
・太祖郭威は詐欺師だ
・後唐荘宗は遊びすぎ
・唐末の皇帝たちは深宮に籠もったのが駄目
・唐太宗李世民は宣伝してから善政して記録する虚名を好む皇帝

厳しい。唐太宗に辛いのは、兄殺しの同族憎悪だったりして。

『中国の歴史と故事』
藤堂明保(古代中国語)
徳間文庫(1989)


歴史記述はあまり正確ではない。

孟子のいう、天の時、地の利、人の和。
これって光武帝の場合、
昆陽の戦いで天の時を得て、
河北に地の利を得て、
二十八将という人の和を得て、
皇帝に即位したと言えるよな。

秦は洛陽から12万戸を咸陽にに移住させた。
百万都市の出現かも。

藤堂氏の単語家族の方法は凄いと思う。

『僕僕先生』
仁木英之(作家、個別指導塾の経営)
新潮社(2006)


仙人相手の奇妙な恋物語。
面白いのかなあ……退屈だったけど。

第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞。
日本であまり知られていない
歴史の名場面や英雄豪傑を
物語にのせて紹介したいとのこと。


『中国説話文学とその背景』
志村五郎(数学者)
ちくま学芸文庫(2006)


太平広記や夷堅志の紹介。

妙齢の女子が
超自然的武術を心得るという考えがある。
越女など。
太平広記の豪侠に少なからぬ女侠が登場する。
武侠小説にも女侠は欠かせませんね。

房玄齢の激しい妻。
嫉妬しないで生きるぐらいなら嫉妬して死ぬと、
毒を平然と飲んだ。
怖いなー。
房玄齢って病弱で弱々しいイメージなので、
結構、お似合いなのかな?

『文字の発見が歴史をゆるがす』
福田哲之(中国文字学、書法史)
二玄社(2003)


出土の背景と文字について。


『「生き方」の中国史-中華の民の生存原理』
竹内康浩(東洋史学)
岩波書店(2005)


家と家族を中心とした生き方が基本。

子孫を残すことへの強い願望。
気とは遺伝子だという。


・今日の一言
武侠小説には美貌の女侠が欠かせない。
무협소설에는 예쁜 여자 무협이 없어서는 안된다.
武侠小说少不了美丽的女侠。
The Chinese martial arts novel requires a beautiful swordswoman.

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