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日本人の行動文法(ソシオグラマー) [本(日本の問題]

『日本人の行動文法(ソシオグラマー)/竹内靖雄/東洋経済新聞社/1995』
著者:経済思想史、経済倫理学
評価:内容ゼロ・自分の体感をただ記述しただけ

論理や分析、論証というものをまるで理解していない。

宮崎哲弥絶賛だったので読んでみたが、あまりの内容にがっくり。
内容がなさすぎる。
何かを主張するには論拠が必要だが、
この本では、ほとんど何の論拠もなく、
著者の体感が箇条書きで羅列されているだけ。
物事を証明するというのはどういうことわかっていない

とりあえずわかったこと。
宮崎哲弥は博識だが論理分析リテラシーはない。

およそ読者とは、
自分の日頃の思いを代弁する本を良い本と認定してしまうもの。
宮崎氏は自分の思いと一致したから良い本だと思ったのだろう。

しかし真に優れた本とはそういうものではない。
根拠を明示し多角的に分析された本こそが良書である。

現状描写から問題性を取り出し、
過去の流れから一貫性を読み取り、
内部構造から因果性を描き出し、
類例との比較から平等性を主張し、
未来の推定から妥当性を提示する。

これら5つの論理を縦横に組み合わせた本こそが良書である。
本を読むとき、根拠と主張の組み合わせが、
この5つの技法のどれに相当するか考えることで、
その本の欠陥や不足を理解できる。
これは論文を書くだけでなく、読者にも必要な技術である。
これこそが論理分析リテラシーというものであろう。

『奪われる日本/関岡英之/講談社現代新書/2006』
著者:元銀行員
評価:問題意識は評価したいが物事を分析する方法を知らなすぎ

この本を良いと思う人は、分析思考力も論理思考力も使っていない。
世の中で反響のある本とは、
読者が持つ漠然とした意見に同意を与えてくれる本であることを
改めて認識した。

『若者殺しの時代/堀井憲一郎/講談社現代新書/2006』
著者:コラムニスト
評価:消費者としての若者現代史

若者を消費者とする社会を叙述。だから何?


『品位ある資本主義/相沢幸悦/平凡社新書/2006』
著者:ドイツ研究、経済学
評価:ドイツの社会的市場経済原理から見る日本経済史・「と」本

ヨーロッパでは日本ほどの格差社会ではないという。
ジニ係数を見る限り明白な嘘である。
そもそもヨーロッパは貴族の伝統のある階級社会だが。

ちょっとましな提言。
会社で、有給休暇をきっちり消化し、
長期連続休暇をとれるようにすれば地方滞在が増え、
地方経済の活性化になる。
これはいいと思う。
日本の問題は、生産性の追求のあまり、消費力が低下していること。
消費しやすい条件を作るべきなのだ。
日本は貿易依存度が高くないのに、国際競争力ばかり気にして、
国内市場の消費力を低下させている。
そろそろこのことに為政者は気づくべきではないだろうか?

馬鹿じゃないかとあきれた提言。
・塾を全面禁止しろ
・携帯メール禁止する
・ゲーム機は生産禁止に
・若者にボランティアをやらせる

……はあ?

・今日の一言
主張には論拠が必要だ。
It requires some argument for an assertion.
주장에는 논거가 필요하다.
主张需要论据。

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