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易の世界(中公文庫) [本(東洋史]

『易の世界/加地伸行,編/中公文庫/1994』
著者:中国哲学史
評価:多角的な研究紹介・しかもこの本で易占いもできる

易に海への言及なし。海を知らない内陸部生まれらしい。

霊能者は過去を当てて現在の問題に答えるが、
易者は未来を当てることで現在の問題に答える。
その思考法が逆なのである。

ドハレズ
易は64節で構成される辞書であり、
もともとは政治家のメモだったとする。

ユング
64卦は古代中国民族の心理的経験の貯蔵庫である。
元型的状況の象徴だという。

・易について
易とは何かともし私に聞くなら、
易とは知識の整理法だと答えたい。
発想法であるKJ法などと親近性があるように思う。
人間は思考に癖がある。
人はものを考えるとき、ある視点から順番に考える。
対象となる事象を丸ごと捉えて、すべてを考えることはできない。
そのため常に思考に偏りが生まれる。

特に決断に悩むときは、
一つの考えに囚われ、視野が狭くなっていることが多い。
こんなとき易は、その思考の膠着から解き放つことができる。
思考の偏りを打ち壊すことができるのだ。

何と言ってもランダムだから、易に片寄りがあるはずもない。
ランダム=偶然の持つ力を引き出すのが易だと思う。

卦を解釈するとは、自己の知識を、
易により整理し直すことと言えるのではないだろうか?
易がまさしく宇宙を分類する構造を持っているのも、
そのためだと思われる。

『歴史地図で読み解く三国志/武光誠/青春新書/2003』
著者:比較文化、日本古代史、日本文化
評価:三国志の雑学

郭泰に心寄せる廷臣の数は三万人に及んだ。
廷臣でなく学生の数と思うが……

豪族層と庶民の間に明確な区別があった、
三国志に登場する勇者はすべて豪族層の出身だという。
これは逆の可能性を考えるべき。
区別がなかったからそう見えるということ。
はっきり言えば、貧民層という階層はなかった。
あるのは、単家である。
すなわち、親族集団を持つか持たないかである。
後漢の豪族というものの構造を正しく把握する人は少ない。

『李世民/小前亮/講談社/2005』
著者:中央アジア・イスラーム史
評価:単調な小説

李世民の性格とか能力がよくわからん。
主人公なのだからもっと細かく描いてもよいはずだ。
武勇伝も知略のエピソードもほとんどないのはなぜだ。
後世の脚色説を採用しているのか?

また、ストーリーの焦点がぼやけている感じがする。
登場人物が多すぎるのかもしない。
内容的にも90%は戦争描写と政略の会話で
これはさすがに単調な気がする。
小説って難しいな……

『史記の人間学/雑喉潤/講談社現代新書/2005』
著者:朝日新聞記者、中国文学研究家、音楽ジャーナリスト
評価:史記のダイジェスト版

中国の小説「一代の兵仙韓信」では、徐市は日本の神武天皇らしい。
そんな無茶な。
中国人とは文化概念であり、
漢字を使う人たちということなので、
日本人も中国人の一種というのが、大陸の感覚である。

呉越の戦いは、
楚からの亡命者伍子胥、実は楚から派遣された范蠡の対決だという。
小説的な考えである。

・今日の一言
易は宇宙を分類し、心を整理する。
Book of Changes classifies universe and organizes your mind.
역경은 우주를 분류하고 마음을 정리한다.
易经分类宇宙,整理你的心。

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