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世界をよくする現代思想入門(ちくま新書) [本(哲学思想]

『世界をよくする現代思想入門』
高田明典(文化記号論、リハ工学)
ちくま新書(2006)


良書。ものの正しい考え方がわかる。
ただ不完全に本が終わる。

目的を離れて正しさを論じることはできない、
世界認識は目的により異なるし、
方法も目的により異なるという。
これは大事なことだが、
社会学者や哲学者には
理解していない人が多いように感じる。

ピアジェは相同関係を抽出し、
レヴィ=ストロースは対立関係を見た。
その他、共変関係と継時関係を見ることも。
構造主義は人文科学における帰納法の適用の型というべきか。
自然科学の仮説演繹法を人文科学に持ち込んだのが構造主義なのか。

フーコー
訓練により倫理と道徳を作り、それを内面の理由として自分を律する。
これが新しい支配の形態。
道徳による人民支配が教育か。
日本にも教育勅語というのがありました。

デリダの脱構築
世界認識は言語による分節化によるもの。
分節化の多くは二項対立であるが、それは恣意的で妥当性がない。
疑義を提示するのが脱構築。
様々な言説が脱構築されることで
社会の底流の無意識が変化し社会が発展する。

大城信哉は、
脱構築とは外からの批判でなく内側から自壊させるものといい、
小阪修平は、脱構築を一言でいうと"ずらす"ことで、
新しく作るのではないという。
守中高明は、脱構築とは、ある構造を見出し
同時にその諸要素によって構造を転覆させることという。

まあ何とかわかった気がする。
言葉の境界線をずらして社会の底流を変化させていくことかな?
憲法9条の批判を脱構築するということもできそうだ。
憲法9条は破棄してしまうには惜し過ぎる。

『男性vs.女性』
水田珠枝(女性学、政治学)
岩波ジュニア新書(1990)


歴史に残る名言集。いや迷言も。

プラトンの理想
支配階層は私有財産も家族も持たない。
女性も子どもも共有する。
プラトンって共産主義者かよ!

ウェブレンの言葉
夫は企業であくせく働くが、
妻は家で時間がたっぷり
好きなことができるから自由だ。
というのは、奴隷であることの証拠である。

まやかしの自由に注意せよ。


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