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隣の国で考えたこと(中公文庫) [本(韓国事情]

『隣の国で考えたこと』
岡崎久彦(外交官)
中公文庫(1983)


外国を良く知る良書。
今の岡崎氏とはほとんど別人。

中国系以外が組織的に
反日ゲリラとして戦った唯一の国がフィリピン。
フィリピン国交樹立10年目には
今から想像できないほど激しい反日感情があった。
すると、今の中韓の反日も
いつか終わるのかもしれない。

フィリピンは最も民主主義の発達した国だ。
しかし、経済はあまり発達していない。
民主主義と経済の関係の難しさ。

イギリス人のインド観。
英国はインドに近代文明と鉄道をもたらした。
英国が統治しなければ小国家に分かれて分立抗争し、
北部はロシアに取られただろう。
日本が韓国に言うときの言葉とそっくりである。

韓国人の自嘲発言の多さ。
"これだから韓国人はダメなんだ"としばしばいう。
仲良くなるとこの自嘲発言の多さには驚くものがある。
韓国人の自国自慢ばかりあげつらうのは、
相手のことを良く知らないからである。

日本の変化。高度成長で日本人は怒らなくなった、
街で喧嘩を見ないし、言葉使いも丁寧で驚いたという。
これは中韓の人も態度も経済次第で簡単に変化することを示唆する。
民度など経済次第なのだ。

韓国語と日本語の類似性。
蝶、長、鳥は旧かなでテフ、チヤウ、テウたが
韓国語音ではチョッp、チャng、チョーだ。
旧かなは韓国語と対応している。

韓国語語頭は清音で母音や有声音の後では濁音になる。
この法則は日本語のハマグリ、サオダケなど、
複合語で後ろの語の語頭が濁音にかわるのと同じである。

韓国語を学ぶと、すぐに気づくのがこうした驚くべき類似性である。
ところが、言語学では日本語と韓国語の関係は全く証明されておらず、
ウラル=アルタイ語群に含まれるかどうかまでが問題になる。
言語学の研究結果からは日本語と韓国語の距離はかなり離れており、
それらが分岐した時期も相当に昔と言うことになってしまう。

ところが遺伝子などの研究では、日本人と韓国人の関係は
琉球やアイヌよりも近いことがが証明されつつある。
言語学で想定されるよりも遙かに最近に分離したと考えられるのだ。

この問題を解くには、
言語がいかに変化するか歴史状況を考えなければならない。

民族が玉突き現象を起こす欧米では、異なる言語の影響に上限がある。
印欧語の世界は、
ゲルマン民族の移動のように民族が移動しながら接触する。
隣接する民族同士が交流する中で言語が変化していく。
交流型発達が印欧語の世界である。

日本や韓国は異なる。この、半島と島国では、
民族が移動してきても逃げるところはなく、融合するしかない。
強引に押しつぶすかのように言語が融合されてしまう。
その結果、印欧語の言語理論から想定されるよりも遙かに速く、
言語が変化してしまうのである。
融合型発達が日韓語の世界である。

タグ:岡崎久彦
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