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心と認知の情報学 [本(脳科学]

『心と認知の情報学/石川幹人/勁草書房/2006』
著者:応用物理学
評価:量子脳+量子遺伝子のピンぼけ本

物理屋らしく、何でも量子で解決したいらしい。
必要ないでしょうに。

サールの中国語の部屋。
中国語を理解する主体は部屋というシステムだという回答に、
部屋には実感する主体がないから変だという。
わかってないねえ。
脳にだってどこかのニューロンに主体があるわけじゃないよ。
前頭葉とか側頭葉とか脳の一部には主体はない。
主体があるのは脳の前部と後部の連結のループ回路。
再帰回路に主体が生まれるの。

シュレーディンガーの猫が死ぬのは観測者が見るときという。
物体に作用するときです。観測者は関係ありません。
『量子力学入門/並木美喜雄/岩波新書/1992』
をよく読んでみましょう。

心の概念に位置は不要だという。
心は別世界にあるとでも思っているんですかね。
心の本質は回路の問題。
ループ回路すなわち輪っかの形の回路に心が宿るわけだから、
ループの回転軸がある。それが中心位置になる。
そしてそこから広がっていくのが心のシステム。
だから、心には位置があるし、濃度がある。

スティーブン・J・グールドは、
100万年あればコインを100回投げて100回表を出ることもあるだろうと
書いてるそうだ。
それで計算すると一秒1回投げても150億年でも足りないという。
まあ、そうかもね。
また、サルがタイプライターをでたらめに打って
シェークスピアを書き上げる確率も、
とても宇宙の時間では足りないという。
それで遺伝子の量子効果、量子進化が不可欠だという。

でもこれ、グールドの意見じゃない。
紛らわしいよ、ここに入れては。
サルのタイプの話は進化論否定論者の言葉だ。

で、進化論ではこの確率の低さを漸進的進化と考えることで解決する。
一気に書き上げるのは無理でも一文字ずつ進むごとに記録すればよい。
自然淘汰がその役割をする。
これはロールプレイングゲームのセーブに相当している。
ゲームを一発でクリアするのは難しいけど、
ちょっと進むごとにセーブしながら進めばクリアできる。
それが生物進化の進み方。量子進化なんぞ不要だ。

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