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宗教で読む戦国時代(講談社選書メチエ) [本(日本史]

『宗教で読む戦国時代』
神田千里(日本中世史、中世後期の宗教社会史)
講談社選書メチエ(2010)


戦国大名は国王、
将軍は皇帝、
天皇はローマ教皇と認識された

浄土教
贖罪も苦悩も後悔も不要。
阿弥陀が既にあがなっているから

禅宗
死ぬことと生きること以外に何もない

キリスト教への日本武士の疑問:
 善良な神がいるなら日本を救いに来るのがヨーロッパより遅いのはなぜか?
 人間特有の不滅の霊魂というが人間も動物の死ぬ時に違いがないではないか?
 むしろ人間の理解力、自由意志、記憶力も肉体とともに衰えるのは霊魂が肉体に依存している証拠ではないか?
 恩寵を失ったはずの悪魔は何故未だに人間よりも大きな自由や、人間を欺いて正しい人々を自滅の危機に陥れるような力を有しているのか?
 神が人類に増殖し繁栄することを命じているのなら、何故その命令に背いて、宣教師たちは、禁欲と節制の人生を立派なものと考えるのか?
 神がかくも慈悲深いのであれは、なぜ罪を犯さないように人間を創造しなかったのか?
 神が人間に自由を与えたのであれば、アダムとイブが悪魔に誘惑された時、何故天使を遣わして教えてやらなかったのか?
 何故善良に生きる者たちが、現世においてその報いを得ず、何故神は悪人を栄えさせたままでおくのか?

織田信長も倫理を放棄した者は天道の罰を受けると叱責した
大坂を退去してからは本願寺と信長の関係は良好に
信長と一向一揆に特別な対立なし
東西の本願寺の対立が信長を敵として強調することに
他宗派を攻撃する宗論を嫌い共存を是とした信長
安土城の中国文化や諸宗教への絵画も君臨ではなく
信長の憧れを示すものではないか

キリシタンによる寺院や僧侶への破壊、冒涜、迫害
島原の乱。寺社への攻撃、僧侶、神官の殺害、
キリシタンにならない者を皆殺しにして蜂起したのが乱の発端だった
過酷な年貢徴収への反対行動ではない
キリシタンは排他性のため邪教とみなされた
一向一揆と島原の乱は全く違う様相を持つ

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度4/5

面白い。キリスト教への違和感が説得力がある。

・今日の一言(本文より、ザビエル)
この日本の国は甚だ大きく、島々からなっています。全国には唯一の言葉しかなく、これを習得することはたいして難しいことではありません。
This country, Japan is very large and consist of many islands. They use only one language in the whole country, which is not difficult to master.
这个日本国非常大,由很多岛屿构成。全国只有一种语言,学好这个语言并不难。
이 일본이란 나라는 매우 크고, 많은 섬으로 이루어져 있습니다. 전국에는 하나의 언어밖에 없고, 이것을 습득하는 것은 그다지 어려운 것이 아닙니다.

タグ:神田千里
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