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殉死の構造(講談社学術文庫) [本(日本史]

『殉死の構造』
山本博文(日本近世史)
講談社学術文庫(2008)


乃木希典の明治天皇への殉死
西南戦争で軍旗を奪われたが明治天皇の慰留により命を助けられる
旅順要塞の負傷兵を見舞いに各地を行脚

森鴎外の阿部一族の原作は阿部茶事談

殉死は主君と小姓など若い寵臣との濃密な性関係に基づいたものが多い
心情的な一体感があることが殉死の前提
殉死を思いとどまった方が栄達する
君主と一体であるという自己主張
殉死者には下級家臣が目立つ
とても殉死する必要はないと思われる下級家臣が
主君の方からすればわずかな厚意で殉死している。

かぶき者的武士の姿
家臣に秩序があった堀田正盛に殉死者がなく
放埒な家臣ばかりの内田正信に殉死者がいた

主従間の情愛の体現体認の手段
心中と殉死は同じ

吉良邸討ち入りは忠義のためでなく自分の心情や体面や意地のため

恋愛感情に近い形で主君を思うことや
武士としてのアイデンティティを保とうとする心の動きが忠誠心の本質

忠義とはそれを世間が受け取る枠組み

武士は臆病との評判をとれば身の破滅
世間という圧力装置は日本独特で江戸時代に定着した

☆☆☆☆☆
自分から死にたいと思うのも一種の心中だからというので納得。

・今日の一言(本文より)
殉死者は心から望みさまざまな圧力をはねのけて追腹を切るのである。
순사자는 마음속으로부터 바라고 다양한 압력을 물리치고 할복 순사하는 것이다.
殉死的人发自内心地希望,推开了各种压力而剖腹殉死。
Although they have various pressures to live, people who commit suicide after their master's death wish from the bottom of their hearts to die.
People who commit suicide after their master's death wish from the bottom of their hearts to eliminate various pressures to live so they can commit suicide.

タグ:山本博文
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