SSブログ

日本文化の歴史(岩波新書) [本(日本史]

『日本文化の歴史』
尾藤正英(日本近世史、近世思想史)
岩波新書(2000)


文句なく名著。日本人の精神史を知る。

防衛設備のある村や町の出現は弥生時代と戦国時代のみ。
この二つの時代こそ日本の大変革期。

前方後円墳とは何か?
王権の地位継承儀式の場で天円地方の思想を示す。
後円の天から前方の地へ下降するイメージが天孫降臨の再現。

父系制の中国と双系制の日本を示す言語。
父型と母型の親族呼称に区別がないのが日本語。

日本の氏は地域名で姓は職掌名。
天皇に姓なし、スメラミコトという職掌名のみ。
職業が姓になるという点は英語とも共通している。

聖徳太子の十七条憲法。
和を以て貴しとなし忤ふること無きを宗とせよ。
これが一番目なのは日本人の社会観を示す。

江戸時代は武士、百姓、町人の3つの身分。
士農工商は公式表現ではないもの。
またこれらは職業による区分である。
家は家業を目的とした組織であり、
血統による身分ではないため厳格さがなく、
かなりの社会的流動性があった。

百姓や町人も名字はあった。
家号や屋号があり家名を表示していたのだ。

日本の精神性を示す役という言葉。
将軍は職だがそれ以外はすべて役。
行政に携わる人が役人であり、役割分担の組織である。
役の体系こそが日本的。
役は、中国語では強制労働の意味しかない。

その場の役割に従うという日本人の特徴が、
江戸時代にも既に現れており興味深い。

武士は知識人というより実際的な技術者。
これが後の日本の技術発展へと結びつく。

福沢諭吉の言葉。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。
当時の人にも違和感がなかった。
江戸時代は身分による役割は違うが、
人間は平等と考えられていたためであるという。

・今日の二言
和を以て貴しとなし忤ふること無きを宗とせよ。(聖徳太子)
조화를 이루는 것이 중요하고 거역하지 않는 것을 으뜸으로 해라.(쇼토쿠 태자)
以和为贵。无忤为宗。(圣德太子)
Cherish the mind of harmony, and make it principle that not to go against.(Prince Shotoku)

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。(福沢諭吉)
All men are created equal.(Fukuzawa Yukichi)
하늘은 사람 위에 사람을 만들지 않고 사람 밑에 사람을 만들지 않는다.(후쿠자와 유키치)
天未在人之上造人,亦未在人之下造人。(福泽谕吉)

タグ:尾藤正英
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。