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ネアンデルタール人類のなぞ(岩波ジュニア新書) [本(生物学]

『ネアンデルタール人類のなぞ/奈良貴史/岩波ジュニア新書/2003』
著者:古人類学、史学
評価:ネアンデルタールが詳しくわかる良書

ケニアの東ツルカナで3種の人類が共存していた。
まっすぐ人類へと一列の進化ではなく、
さまざまな異なる人類がいたのである。
現代人類も、3万年ぐらい前は、
ネアンデルタール人やジャワのフローレス原人がいた。
人類という種の一人勝ちは地球史のごく最近の現象だ。

シャニダールの片目片足の遺体。
あるいは東ツルカナ遺跡でビタミンA過剰症の遺体。
これらは介護の可能性を示すという。
人間は助け合う生き物なのだ。

現在も、女性はお産で年間60万人死亡する。
女性にとって出産は、本来危険なものなのである。

エドワード・S・ディーヴィの人口推定
30万年前のホモ・エレクトスは100万人
2万5千年前の現代人は334万人
ネアンデルタールは最盛期でも30万人
思ったより多いな。

『オランウータンの不思議社会/鈴木晃/岩波ジュニア新書/2003』
著者:霊長類研究
評価:オランウータンの生態と今の環境を知る良書

主食はドリアン、それに若葉や樹皮を食べる。
あの、ドリアンが主食!!!

オランウータンの雨傘行動、
大きな葉っぱをもぎ、茎を持って傘にするのである。

妊娠しているときに生姜の茎や果実よく食べるのは、
薬草として食べているかもしれないらしい。

メスの行動域は大幅に重複しており、
月に何度か遭遇すると血縁のある子ども同士が遊ぶという。
従来考えられていたほど孤立しているわけではないようだ。

キャンプに紅茶を飲みに来るようになったオランウータンがいるそうだ。

交尾時間比べ:
チンパンジーは2-3分
ゴリラが数分-8分
オランウータンは25-40分
人間は?

オランウータンは計3万前後しかいないらしい。
絶滅の危険があるのだ。

オランウータンのリハビリセンターがある。
そこで、孤児を養育してヘリで森に運び放すという
テレビでのやらせがあったそうだ。
森に返したオランウータンはそのほとんどがほどなく死んだらしい。
自然に帰せばよいというものでもないのだ。

『スズメの少子化、カラスのいじめ/安西英明/ソフトバンク新書/2006』
著者:日本野鳥の会普及室研究主任
評価:身近な鳥の不思議な世界

カラスの脳は10gでハトの4倍もある。
脳の神経細胞数でいうと、ハシブトは2億3000万、
カモ6000万、スズメ2000万だそうだ。
やはりカラスは賢い。

『われら以外の人類/内村直之/朝日選書/2005』
著者:朝日新聞科学医療部記者
評価:猿人からネアンデルタール人まで

インドネシア・フロレス島の原人、ホモ・フロレシエンスは、
身長1m、脳も380ccしかなかった。
島嶼性矮小化らしい。
敵がいないので大きい必要がなく、
食物が少ないので小さい方が有利なのだ。

サルやチンパンジーと現代人の違いは大きな犬歯。
現代人やアウストラロピテクスの犬歯は小さいのだ。

アフリカの類人猿化石は1300万年前から欠如。
ヨーロッパやインドでも1000-700万年前から類人猿化石が欠如。
これらは、類人猿がアフリカを出たり入ったりを繰り返したことを示す。

アフリカの真ん中で見つかったサヘラントロプス。
どうもイーストサイドストーリーは難しいらしい。
猿人は草原でなく森林あるいは川筋の林に住んでいたのだ。

同じ山のゴリラ2頭は違う大陸のヒトより遺伝子が違う。
ヒトの遺伝子はとても均質なのだ。

・今日の一言
人類は助け合う動物である。
Human beings are animals who help each other.
인류는 서로 돕는 동물이다.
人类是互相帮助的动物。

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