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日本見聞録[第3版] [本(中国事情]

『日本見聞録[第3版]/李国棟/白帝社/2002』
著者:比較文学者
評価:丁寧な観察と興味深い考察・良書

中国の大きなものに美を感じるという。
そのため、日本の庭園は狭くて美しくないと感じるのだ。
倭人は越人と雑居していた。それが紀元前後に朝鮮半島に移民し、
任那という中継地を経て、その後日本に渡来したという。
正月の門松や橙の習慣は長江流域より伝わるものだ。

中国人は民主、自由、人権を知らないし、
中国には個人主義がないという。
中国人にあるのはただ勝手に気ままにやるという自在のみでる。
要するに中国人の個人主義とは、自分や友人には個を認めているものの、
赤の他人に個を認めるに到っていないということ。
中国人の問題点である公共意識の欠如は、
自分の身内領域の人には個を認めるが、
知らない他人には、個を見ることができていないということ。
自分や家族や友人は良く知っているから、その個を認識するのは容易だ。
しかし知らない他人もまたすべて個であると認識するという点において、
中国人には不足があるといえるのである。

たとえば、中国に行き中国人と仲良くなったところ、
"お前は日本人らしくない、まるで中国人みたいだ"という。
日本人というステレオタイプがあり、
仲良くなって相手に詳しくならないと個を見ることができないのである。

もちろん、集団主義の日本人や、血縁主義の韓国人はさらに個が弱い。
だが、この真の意味の個人主義の欠如は、
文化の違いではすまないものであり、克服されなければならないだろう。

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