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自己が心にやってくる:意識ある脳の構築 [本(脳科学]

『自己が心にやってくる:意識ある脳の構築』
アントニオ・R.ダマシオ(神経学者)
早川書房(2013)


原題:Self Comes to Mind

水頭無脳症の子どもの示す
脳と意識の関係

感情に関わる主要な部位は島皮質

PMC、後部内側皮質が神経解剖学的に特別

通称ミラーニューロンは、要するに、究極の「あたかも身体」装置なのだ。
So-called mirror neurons are, in effect, the ultimate as-if body device.

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度1/5

データ部分が少なく、ダマシオの語りが中心。

アマゾンの書評に訳語の問題が指摘されているので、私も気になる部分を確認してみた。

"無意識処理の無何有郷から"、って何かと思ったら from netherlands of nonconscious processing だった。荘子の"無何有郷"は無のユートピア、理想郷の意味だが netherlands 低い土地すわなち、from netherlands of nonconscious processing は"意識不在の処理の低次状態から"、ぐらいの意味なわけで、ほぼ誤訳と言っていいと思う。

また、ダマシオは nonconscious と unconscious を使い分けているのに、それをまとめて無意識と訳すのはないんじゃないかと思う。フロイト的な無意識と、そもそも原始的な生物で意識がないものを使い分けているのに。

マイリンというのは英語音に忠実にしたのだろうけど、すでにミエリンで定着してるので、尊重すべきではないか。

Brain nuclei を脳核、nucleiを核種と訳しているが、どっちも神経核と訳すべきではないか。

early sensory cortices の早期感覚皮質も違和感があるな……

アマゾンで指摘されているものは、
nucleusの複数形nucleiを核種と訳していること
髄鞘(ミエリン鞘)とマイリン
灰白質のことを灰質
結合組織のことを接続組織
線維を繊維
血液脳関門を血液脳障壁
脊髄を脊椎
neurofibrillary tangle 神経原線維変化を"神経繊維のもつれたもの"
中心溝から後半を、"脳の裏の部分"
superior and lateral aspects of the frontal cortexを上面観と側面観
parabrachial nucleus を 結合腕傍核と傍小脳脚核に訳している
disposition を田中氏は"傾性"と訳し、山形氏は"性向"と訳している

・今日の一言(本文より、ファインマン)
What I cannot build, I cannot understand.
自分で作れないものは理解できない。
不能为我所建者,不能为我所知。
내가 창조하지 못하는 것은 내가 이해할 수 없는 것이다.

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