SSブログ

命ひとつ:よく生きるヒント(小学館101新書) [本(仏教]

『命ひとつ:よく生きるヒント
大峯あきら(哲学、俳人、仏教思想家)
小学館101新書(2013)


する句はよくない、なる句がいい。芭蕉
物の見へたる光、
いまだ心に消えざる中にいひとむべし。
存在が光芒を放つ瞬間を言葉にせよ。
紀貫之に反対した松尾芭蕉の詩論
芭蕉は仏頂禅師について禅の修行をした

ヘルダーリンと芭蕉の共通点
詩を作ること、凡ゆる人間のいとなみの中でもっとも無邪気なもの。
ヘルダーリン

花鳥にも、人間に宿る如く宇宙の生命は宿っている。虚子
自然を愛する気持ちはヨーロッパ人の方が強い

言葉で言えない真実とは、
その人の思想が不完全で不明瞭に過ぎない
ヘーゲル

詩においては、人間は物が物自身について語るのを聞く。
マックス・ピカート

人間は真実の言葉である仏の名号を聞くことによって初めて救われる。
人間を救うものは物質でもなければ観念でもなく、
ただ、仏それ自身であるところの言葉である

永い生命の歴史の流れの中にあって、
たくさんの生命個体たちとつながり合っている命だから、
大事にしよう。
偶然と苦労の子たる汝人間よ!妖精シーレン

仏教は釈迦個人の教えではない
仏教とは、仏が説いた教え、
仏=法について説いている教え、
私たち自身が仏になっていく教えだ。
長尾雅人

惑染の凡夫、信心発すれば、
生死即涅槃なりと証知せしむ。教行信証
法蔵菩薩の世界とは、
阿弥陀如来と個体としての衆生とがまだ分かれていない世界
法蔵菩薩とは、
一切群生海のこの願いをはっきりと洞察し自覚し、
その願いに答えた存在
如来が自分を捨てて一切群生海の身になってしまい、
その苦悩を自分自身の苦悩として悩み、
求めている問題が如来自身の問題となった

衆生を救うとは菩薩が自分自身を救うということ
信仰や悟りとは、
個体が自己の内なるこの大生命の中に生かされている自分自身を発見すること

苦しいときは如来や神とともにあることを信じる、
できなれば現状に任せよ、
できなければ泣き叫べ。
清沢満之

阿弥陀は阿弥陀という一つの実体の形を持たず、
変幻自在に宇宙の森羅万象に現れている

花になくうぐひす、みずにすむかはずのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける
Hearing the cries of the bush warbler among the blossoms or the calls of the frog that lives in the waters, how can we doubt that every living creature sings its song?

初めに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。
In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.

わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。ヨハネ福音書11-25
Jesus said to her, "I am the resurrection and the life. He who believes in me will still live, even if he dies. Whoever lives and believes in me will never die. Do you believe this?"

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度5/5

これは新書とは思えない凄い濃い本。
言葉とは何か、宗教とは何かを深く語っている。

仏教は単に仏陀の教えではなく、
1.仏が説いた教え
2.仏すなわち、法についての教え
3.仏になる教え
の三つの意味があり、これは歴史上のブッダの発言から確認できるのだ。
1.だけにこだわると仏教の本質を見失ってしまうのである。

・今日の一言(本文より)
ねがはくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ
원컨대 꽃 아래에서 봄에 죽고 싶다 그 2월 보름달 떴을 때.
I hope to die with flowers in spring, in February, under the full moon.
我愿在春天的花下死去,就在那二月月圆之时。

タグ:大峯あきら
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。