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素粒子論はなぜわかりにくいのか(知の扉) [本(物理/天文]

『素粒子論はなぜわかりにくいのか』
吉田伸夫(素粒子論、量子色学)
技術評論社(2013)


原子の質量の99%近くは、
ヒッグス粒子が起源となるのではなく、
原子核の内部に閉じこめられたエネルギーに由来する。
ヒッグス粒子がもたらすのは、
電子やクォークが持つ質量で、
原子の質量と比べるとほんのわずかである。
ヒッグス粒子とは粒子ではなく粒子的な状態のことである。

すべての素粒子は粒子ではない
空間全体に拡がるのっぺりしたものがあり、
これがエネルギーを得て振動すると、
あたかも粒子のように振る舞うのである。
電磁場の振動が粒子のように振る舞うのが光子である。

場の理論は真空を認めない
空間と一体化し、
空間に対して移動できないことが、
場の特徴である。

モニタ画面と画素。
画素に相当するプランク長。
モニタ画面での動きは実際には動いておらず、
画素の輝度の変化が画像の動きとなる。
物理現象も場の値が変化しているだけで、実体は動いていない

波動が基本
量子論とは、波動光学の考え方が、
粒子の運動のような一般的な物理システムにも適用できるとする理論である。
素粒子の実体は波であり、波が粒子のように振る舞っている。

電荷とは場全体の性質を表す定数であり、
素粒子が電荷を担って動き回るわけではない。

dクォークがuクォークに変わるベータ崩壊。振動の向きの変化
ヒッグス粒子が勝手に凝縮した方向が、dクォーク及び電子の振動方向である。

弾性理論は、低解像度で見たとき金属の動きを記述する有効理論である。
質量は物質の量ではなく運動のエネルギー

ルクレティウスの哲学詩がルネサンスの引き金になった

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度5/5

最近やっとコペンハーゲン解釈の空疎さが指摘されるようになったが、
この本も場の観点から解説している。
粒子かつ波じゃなく、はっきりと波が基本で
波が粒子の姿を見せるのが真相なのである。

・今日の一言(本文より)
素粒子は粒子ではなく、量子論の性質によって場が粒子のように振る舞っているだけなのである。
소립자는 입자가 아니라 양자론의 성질에 의해 장(場)이 입자처럼 행동하고 있을 뿐이다.
基本粒子不是粒子,场只不过是根据量子论的性质像粒子一样活动。
Elementary particles are not particles, the field just act like particles according to the nature of quantum theory.

タグ:吉田伸夫
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