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成熟社会の経済学-長期不況をどう克服するか(岩波新書) [本(経済学思考法]

『成熟社会の経済学』
小野善康(マクロ経済動学、国際経済学、産業組織論)
岩波新書(2012)


生産力に比べて需要力が足りない成熟社会。

政府主導による雇用の創出ではなくケインズ主義によるお金のばらまき

増税してその財源で介護保育環境社会資本など
国民へのサービスを充実させれば財政健全化も可能。

橋本龍太郎の97年の消費税増税後の景気悪化。
原因は増税ではなく公共事業を減らして
建設労働者を大量に解雇したこと。

増税により経済停滞はない。
労働意欲の低下は代わりがいくらでもいる。
需要不足で生産効率の問題ではない。

産業分野は、環境、介護、保育、健康、観光。
保育所運営建設への補助、校舎の耐震化、
学校設備教材、専門教育の充実。

投資は最終的な需要ではない。

政府が民間より成長分野を知っているはずがない。
もしも政府が収益を生む事業を行えば民業圧迫。
収益に見合わなくても人々が喜ぶ分野を探して事業をして支援すること。
民間の採算ベースに乗らない分野で雇用を作る。

これまでの経済学は生産力が不足している発展途上社会の経済学。

余裕のある年金生活者には現物支給にすること。
一年間有効のバウチャー、旅行劇場美術館など。

50年代の日本は9000万人なのに人口抑制策をとっていた。

所得税の不公平性。
所得税は就業者の6-7割しか払っていない
全人口の四割が払っているのみ。

既存産業から技術者を引き抜いても、
玉突きで雇用が生まれる。

成熟社会になると生産能力が拡大し
必需品がゆき渡って需要が不足するから不況になり
その解決にには必需品とは思われない分野であっても
国民の生活の質を高めるものがあれば
政府が増税して資金を確保し
その分野に投入して雇用を作るべき。

☆☆☆☆☆
リフレ政策については何か勘違いしているように思う。
リフレ政策抜きで国の借金を返済するのは不可能だし、
官民の給与格差の解消の不可能。
企業の内部留保を放出させるのも不可能だし、
円高の解消も不可能。

円ドルレートを産業の効率化で考えるのもおかしい。
金融の投機資金の大きさを考えれば、
為替レートは単に中央銀行の政策に対応するだけと考える方が正しい。

物所有の欲求は充足できるのに
お金所有の欲求が無限というのもおかしい。

どう考えても
インフレターゲットの設定し、
日銀に銀行の国債を買い上げさせて、
その分を国債発行で産業を作る方が増税より優れている。

・今日の一言(本文より)
お金の持つ自由という魅力を越えるものが少なくなった。
돈이 가지는 자유라고 하는 매력을 넘어서는 물건이 적어졌다.
可以超越钱所拥有的自由的魅力东西越来越少了。
Now fewer things have more charm than money's freedom.

タグ:小野善康
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