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草原の風 - 中巻 宮城谷昌光 [光武帝劉秀(Emperor Guangwu)]

『草原の風 - 中巻』
宮城谷昌光(作家)
中央公論新社(2011)


挙兵から、昆陽の戦い、王莽の死、
河北行き、逃避行の終了ぐらいまで。

基本的に後漢書に準拠していて、
オリジナルのエピソードは半分もない。
もう少し膨らましても良さそう。
昆陽の戦いもそれほどページを割いていない。

劉秀という特異なキャラクターをうまく描いていると思う。
劉秀という人は知将ではなく勇将であり、
論理的というよりは直観的な人物だった。
忍耐強くて世話好きな人間が、
なぜか項羽と同じ能力を持っているという不思議さ。

個人的には、複雑で混乱している
挙兵前後の事情がよくわかって面白い。

河北で道に迷ったときに出会った
あの白衣の老人の助言は何なんだろうねー。
長安のために守っているっていうけど、
このときまだ更始帝は長安に遷都してないのに。(笑)

ちなみに唐建国のときにも白衣の老人が現れている。
李淵と李世民親子は挙兵したものの
長雨がひどくて撤退しようとしたときに
白衣の老人が忽然と現れ、
このまま前進すれば勝てると助言している。
このときは白衣の老人は、
"老子"本人ということになってる。
劉秀のときと同一人物かもしれないね。(笑)

残念ながら王覇は省略されたので、
以下の台詞は登場しませんでした。

・今日の一言
疾风知劲草。
疾風に勁草を知る。
困難に直面して初めてその人の立場や意志がしっかりしていることがわかる。
Only the toughest grass can stand strong winds.
세찬 바람이 불어야 억센 풀을 알 수 있다.
역경에 처해봐야 그 사람의 진가를 알 수 있다.

タグ:宮城谷昌光
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