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秀丽江山4: 朱雀卷 [光武帝劉秀(Emperor Guangwu)]

『秀丽江山4: 朱雀卷』
李歆(作家)
朝华出版社(2007)


『秀麗江山4: 朱雀卷』
中国史上有数の名君に挙げられる光武帝をテーマにした全4巻の第4巻。

陰麗華の家族の殺害事件から劉秀と陰麗華の死までを描く。この巻のテーマは河北豪族をバックとする郭聖通と、南陽豪族をバックとする陰麗華の暗闘が主題。

史実では陰麗華と郭聖通の対立は全く記録されておらず、少し無理があるように感じられるが、あくまでも劉秀と陰麗華を最高のカップルと定義して、陰麗華視点で物語を進める関係上、こう解釈するのが無難なのかもしれない。

陰麗華と郭聖通の対立を解釈可能な最大値にしており、相当に陰惨な展開で、郭聖通の死のシーンあたりでは陰麗華に嫌悪を覚えさせるほど。

家臣を地方別に分けて派閥争いがあるとする解釈は、研究書でも多く採用されているが、一切根拠が無く信用できない。おそらく唐、明などの他の時代の家臣が出身地方別の派閥抗争があったことからの類推なのだが、『後漢書』には派閥争いといえるほどの記事はないのである。

劉秀、陰麗華の最期のシーンまで主要な事件を一つ一つ完全に押さえて描ききっている点はポイントが高い。郭聖通の長男である前皇太子劉彊の死因にも衝撃的な解釈が加えてある。
(2011.10.08読了。中国語多読29冊目)

・今日の一言(本文より)
我找到她的时候……她踩裂了结冰的河面,整个人掉进了冰窟里……
私が彼女を見つけたとき、彼女は氷った川の水面を踏み割り、氷の下へと落ちてしまった。
내가 그녀를 발견했을 때, 그녀는 얼어 있는 강 수면을 밟아 깨고 얼음 아래로 떨어져버렸다.
When I found her, she was walking on and broke through the surface of the frozen river, falling under the ice.

タグ:李歆 光武帝
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