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世界経済を破綻させる23の嘘 [本(経済学思考法]

『世界経済を破綻させる23の嘘』
ハジュン・チャン(開発経済学)
徳間書店(2010)


原題:23 Things They Don't Tell You about Capitalism

よくぞ言ってくれたというべき名著。
自由市場主義資本主義の誤りを指摘し、
本当の経済学を教えてくれる。

著者は80年代のはじめに英国に移住した韓国人経済学者。

自由市場なんてものは現実には存在しない。
市場の自由度をはかる客観的基準はない。
規制のない市場とは規制を当たり前と考えて、
認識できなくなった市場のこと。

株主市場主義がだめなのは、
株主は株を売れるので会社の持続を必要としないため、
投資を減らし、会社をつぶしてしまうからだ。

投資家バフェット語録
稼いだお金のかなりの部分は社会が稼がせてくれたもの。
デリバティヴは金融の大量破壊兵器。

インフレ率40%ですら経済に悪影響はないという研究も。
日本も急速にインフレが必要なのだ。
ここまでのデフレを取り戻すためにも、
たとえ10%インフレになっても構わないぐらいだ。

社会的な意味では脱工業化社会だが、
経済的な意味では今も製造業が中心。
製造業内部のアウトソーシングによるサービス化。
サービス産業が増えたのは錯覚部分も多いのだ。

金融イノベーションとはリスクをあいまいにしただけ。
金融には本当の意味の生産はあまりないのだから、
金融で食えること自体がおかしいものだ。

スイスとシンガポールは世界屈指の工業国。

投資家に所得を集中しても投資家は投資を増やさない。
投資家の所得が増えても貧者の所得は増えない。

マイクロクレジットは過剰評価。
グラミンの成功は政府や海外からの支援金のおかげ。
これは知らなかった。夢だったのかねぇ。

非工業化と機械化で知識の必要度が低下している。
世界は単純労働者ばかりがますます必要になっているのだ。

社会的流動性が高いのが北欧、アメリカはずっと低いこと。
社会保障の規模が大きい国ほど経済発展が速かったこと。
小さい政府がよいというのは、
マスコミが作った幻想なのである。

・今日の二言(本文より)
洗濯機はインターネットよりも世界を変えた
인터넷보다는 세탁기가 세계에 더 큰 변화를 몰고 왔다.
The washing machine has changed the world more than the internet has.
洗衣机比互联网对世界的影响更大。

There are known knowns; there are things we know we know. We also know there are known unknowns; that is to say we know there are some things we do not know. But there are also unknown unknowns - the ones we don't know we don't know.
知られている・知られているものがある。われわれが知っていると知っているものがある。知られている・知られてないものがある。つまりわれわれが知らないと知っているものがある。しかし知られていない知られていないものもある。われわれが知らないと知っていないものもある。
우리가 알다시피, 아는 아는 것이 있습니다. 즉 우리가 알고 있다는 것을 아는 것이 있다는 것입니다. 우리는 또한 알려진 모르는 것이 있다는 것을 압니다. 즉 우리가 알지 못하는 것이 있다는 것을 압니다. 그러다 또한 모르는 모르는 것, 즉 우리가 알지 못한다는 것을 알지 못하는 것이 있습니다.
就我们所知,有些事早已众所周知,有些事我们知道自己知道。我们也知道,有些事早已知道是不可知的,也就是说,我们知道有些事我们并不知道。不过也有些不可知的事我们并不知晓,那些我们不知道的事,我们也就不知道。

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