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これからの「正義」の話をしよう-いまを生き延びるための哲学 [本(論理思考]

『これからの「正義」の話をしよう』
マイケル・サンデル(政治哲学)
早川書房(2010)


アリストテレス、カント、ミル、ロールズの正義論を学ぶ。
わかりやすい良書。
代理出産やアファーマティヴアクションなど、
現実世界の正義と公正を巡る論争から学ぶことができる。

アメリカ人の正義感を損なうのは失敗に報酬を与えること。
what most ofended American's sense of justice was that their tax dollars were being used to reward failure

ベンサムは自分の遺体を防腐処理して保存して展示させた。

人間は自分の所有者ではなく自分を意のままにすることはできない。

悪い生育環境での好成績はより高い素質を示す。
故に黒人やヒスパニックは社会的に有用な特徴となりうる。

アメリカの多くの大学は入学選考に卒業生の子女を優遇する。
これはちょっと驚いた。

愛国心の誇りを持つなら帰属意識から過去の謝罪の必要性が生まれる。
本物の右翼は戦争についての謝罪意識を持たなければならず、
国家を否定する左翼は謝罪する必要を否定しなければならない。
ところが実際はすべて逆になってしまうのが人間の面白いところ。

三つの正義:
・最大多数の最大幸福:自然的義務、普遍的、合意不要
・選択の自由の尊重:自発的責務、個別的、合意必要
・美徳の涵養:連帯の責務、個別的、合意不要

道徳についての積極的関与、
あるいは宗教的なものを避けず
考慮すべしというのが著者の意見のようだ。

私は宗教的な考えより、生物学的に考えるべきと思う。
真の道徳と正義は生物学を完全に把握した者のみが理解できるのだ。

もちろん生物学は完全に極められてはおらず、
人は近似的に理解できるだけであり、
生物学を誤解したものは、誤った正義を行使する。
だが生物学を避ける者には、正義の理解は永遠に不可能である。

生物学と正義/道徳が極めて密接した関係にあることを、
正しく理解している人は少ないように思う。

・今日の二言(本文より)
Practicing proper behavior eventually encourages virtures feeling.
適切な振る舞いをするうちに美徳の感覚が身につく。
적절한 행동을 하는 동안에 미덕의 감각이 저절로 몸에 배인다.
注意言行举止会养成良好美德。

If he comes to the aid of other people simply for the pleasure it gives him, then his action lacks moral worth. But if he regognizes a duty to help one's fellow human beings and acts out of that duty, then the pleasure he derives from it is not morally disqualifying.
楽しいから人を助けるのは道徳的ではなく、義務だから助けるのは道徳的である。
즐겁기 때문에 사람을 돕는 것은 도덕적이 아니고, 의무이기 때문에 돕는 것은 도덕적이다.
为快乐而去帮助人是没有道德性的,为义务而去帮助人是有道德性的。

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