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語彙力強化の切り札 - PT法で脳内のメンタル・レキシコンを再現する [語学学習記録]

今、私が実行中なのがパーソナル・シソーラス・メソッド。PT法。
(※仮名、格好いいネーミング募集中!)
テキストや読書で知った新しい語彙を
類語分類して整理して保存する方法。
自分特有のシソーラスを作るのだ。

電子辞書の単語帳や履歴に蓄えておき、
それをまとめてコンピュータ上に類語分類で写していく。

第一分類は品詞で分ける。他動詞と自動詞は必ず区分する。
名詞、他動詞、自動詞、形容詞、副詞の5つがあればよいだろう。
品詞で分けるのは、その用法を覚えるため。
韓国語の存在詞は形容詞とする。
中国語の成語は品詞はないが、
用例からどの品詞として使われているか用法を考えて分類する。
~地なら副詞、~的や~之なら形容詞、是~、的~で名詞である。
成語は他動詞として目的語を取ることはほとんどないようだ。

下位分類は類義語で、アルファベット順に分ける。
類義語は既に知っている単語を見出し語にする。

類語辞典やその言語の国語辞典を使い、
見出し語にできそうな言葉を探す。
新しく覚える単語を"今の自分"ならどう説明するか考えて
その時に使う言葉を見出し語に選ぶこと。
自分が既に知っている類語がそこになければ、
英和から和英へ移動したりして探す。

もともと類語がないものは、同位語のプロトタイプを使う。
たとえば動植物の名前などには類義語がないことが多い。
hyena(ハイエナ)なら、dog(イヌ)を見出しにすればよい。

●注意点1
見出し語には既によく知っていて自分が今使える単語を選ぶ。
記憶というのは、2項目の組合せであり、
その片側は必ず既知でなければ記憶できないないからだ。
見出し語に選ぶのは、最も語義の近い言葉である必要はなく、
自分の使える言葉でなければならない。
決して、意味の正確性にこだわってはいけない。
知らない語彙を見出しにしても学習効果はない。

類義語の学習研究では、
ある単語の学習時に既知の類義語を一緒にするとよく覚えられるが、
欲張って未知の類義語を追加して覚えようとすると、
記憶が混乱して覚えにくくなるとされるのだ。

●注意点2
見出し語は必ず同一言語から選ぶ。
中国語を覚えるのに英語見出しを使う、などは不適切。
多言語習得の記憶喪失者の例では、
言語ごと別々に記憶が失われる。
すなわち言語ごとに蓄えられている部位が異なる。
それを無理に結びつけるのは非効率なのだ。

使うソフトはこれ。フリーソフトではこれが一番便利と思う。
Text Tree(作者・tatsu)

だいたいこんな感じ。まだ始めて間もないのでちょっと少ない。
Text Tree 使用例(英語)
Text Tree 使用例(中国語)
Text Tree 使用例(韓国語)

有料のシェアウェアなどを探せばもっとよいものもあると思う。

この方法は今まで提唱されたことがなかったと思う。
パソコンと電子辞書がない限り実用的ではないからだ。
論理的に正しいとわかっても、
実用レベルの効率がなかったのである。

この方法には様々な利点、論理的根拠がある。

●読書速度の向上
既に意味を把握した類義語と組み合わせで覚えておけば、
その単語に再度読書中に遭遇したとき、
その類義語を思い出すことができる。
すると、外国語の文章を外国語のままで理解できるようになるのだ。

●記憶効率の高さ
記憶の認知心理学によると処理水準の深さが記憶の定着を決める。
音を聴いたり、字を見たり、発音したり、書いたりするより、
意味を考える方がよく覚えられるのだ。

●会話がスムーズになる
言い換えをたくさん知ることで表現が豊かになるだけでなく、
相手にうまく伝わらないときに違う表現が用意でき、
会話に詰まりにくくなる。
これは私がこの方法で学習を始めてから強く体感したことだ。

●現状の確認
この方法は自分の脳内のメンタル・レキシコンを再現し、
それをモニターしながら覚えるということである。
自己の語彙状態を確認できるのだ。

読書でボキャビル!(2)(Mandarin Note)
語彙力強化ということなので、方法を考えました。

この方法が成功するかどうかは、類義語を発見するまでの速度次第。
ストレスのない速さで見出し語にする類義語を見つけられれば、
語彙力強化に最高の方法であると思われる。

・今日の一言
外国語は外国語のままで理解しなればならない。
외국어는 외국어인채로 이해해야 한다.
外国语必须用其外国语思维理解。
You have to understand a foreign language as a foreign language.

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コメント 3

Marie

akiraさんこんにちは!
ある単語を自分の知っている語彙で言い換え、その語を見出し語にした上で、品詞別に分ける、という理解であってるでしょうか?
見出し語がだらだら長いのも見苦しいでしょうから、やはりある程度語彙の基礎がある人でないと難しいですかね。
私の韓国語はまだ厳しいかもしれません。韓韓辞典で意味を確認するにもかなり時間がかかりますから。

頭を使うぶん、確かに定着はよさそうですね。
by Marie (2009-08-08 16:58) 

Kay-akira_Hirota

ちょっと重点と、順序が違うような気も……

重点は、類語で分類した語彙システムを作り、
脳の構造に対応させて記憶することで、
言い換えを練習するのが目的ではないです。
ですから、ぴったりの語彙が見つかれば、
言い換えを考えるまでもないです。

類語辞典や辞書を往復するとたくさんの語彙が出てきますから、
そこから選ぶときに、言い換えを利用するわけです。
あるいは自分の知っている言葉が見つからないとき、
相手に通じる言い換え範囲で類語を考えます。

たとえば"この棒は길다(長い)"と言いたくて、
"この棒は크다(大きい)"と言っても通じます。ですから
【크다】길다
と크다を길다の見出し語にしてOKです。

韓国語も電子辞書で、韓日⇒日韓を往復すれば、
知っている語彙に到達できるのではないでしょうか?
全くの初心者なら極端な話、形容詞をすべて、
좋다と나쁘다の二種に分類するのもありだと思います。

다랑어(まぐろ)と言いたくて、
바다에 있고 큰 생선이고 회로 먹는다
(海にいる大きな魚で刺身にして食べる)
イメージして、
생선(さかな)を見出し語にするぐらいで十分と思います。

言い換えは既に言える言葉ですから、
わざわざ全文書く意味はないです。

語彙を分類するための基準として見出し語を立てるだけなので、
見出し語は原則1単語にしています。リンク先の例の通りです。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200908/07/87/a0084987_3553626.jpg
一つの見出し語に複数の類義語が並ぶのが理想と思います。

自分の語彙力の領域を把握して、
その境界線に新出単語を貼り付けて
領土を拡大していくイメージです。

自分でやって、これはすごく効果があると感じましたので、
トラックバック送りました。
英語はシソーラスがあって簡単ですけど、
正直、中国語の成語は難しいですね……
by Kay-akira_Hirota (2009-08-09 05:20) 

Marie

なるほど。詳しい説明ありがとうございます。よくわかりました。

以前「読書でボキャビル1」の記事にこのようなコメントをつけました。
>「Aは○○するのが△△なので、Bに××された
>(動詞・否定的なイメージと推測)」てな感じで、
>ほとんど単語がわからなくっても、
>なんとなく理解できるような気がしちゃうんですね

見出し語の類推はこの推測部分と似てますよね。この推測を足がかりにもう少し適した既知の言葉がないか辞書で探せばいいですね。私も取り入れてみることにします!
by Marie (2009-08-09 08:15) 

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