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子どもの貧困-日本の不公平を考える(岩波新書) [本(格差問題]

『子どもの貧困』
阿部彩(貧困問題)
岩波新書(2008)


名著。
日本人がどんなに子どもに関心がないかわかる。

父母の学歴が高いほど子どもの学力も高い。
母親が中卒だと大卒より子どもの学習時間が97分短い。
これは予想通り。

お金持ちは孤独……ではなく、現代は貧乏人ほど孤独。
年収1000万円以上で、
子どものことで相談相手がいないは0%なのに、
200万以下では19.7%にもなる。

貧困は犯罪にもつながる。
少年院の21.6-31.9%は貧困世帯出身である。

日本の格差の実態。
アメリカの低所得者は所得は少ないが負担も少ない。
低所得者の負担が大きいのが日本である。
そして高所得者の社会負担率が一番低いのが日本。
アメリカは下位6.2%が1.8%を負担するが、
日本は下位の6.7%が7.9負担しているのだ。

その結果、
社会制度と税で子どもの貧困率が悪化する唯一の国が日本である。

母子家庭の実態。
母子家庭の母親の平均年齢は40歳。
若いカップルのできちゃった婚とかとは少し違うようだ。

憲法26条:義務教育はこれを無償にする。
それなのに無料なのは授業料と教科書だけ。
この憲法を盾に取ることで、
文科省は予算を増やすことはできないんだろうか?

韓国、フィンランドと日本、イギリスの読解力の差は、
学力下位グループの差。
成績の低い子どもの成績がさらに低いのが日本なのである。

そして最も恐るべき数値は日本人の子どもへの意識である。
日本人の子どもの必需品への支持率が大幅に低いのだ。
子どもの最低限の生活の期待値が低く、
それは20代も70代も差がないのだ。

政府の子ども放置政策、
マスコミの子どもバッシング報道、
こうした呆れるような事柄もすべて国民の総意というわけだ。

日本人は子どもなどどうでもよいのだ。
日本人は世界で最も子どもを嫌う民族である。
しかしすべての人間は子どもから大人になるのであり、
次の世代に対する配慮のなさは日本を衰退させるだろう。

・今日の一言
日本は高所得者の社会負担率が先進国で一番低い。
The burden on high-income earners in Japan is the lowest rate among advanced nations.
일본은 고소득자의 사회부담율이 선진국 중에서 제일 낮다.
日本高收入者的社会负担率在发达国家中最低。
日本在发达国家中高收入者的社会负担率是最低的。

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