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科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている(宝島社新書) [本(農業と環境]

『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』
丸山茂徳(地球惑星科学、地質学)
宝島社新書(2008)


スゴ本。いろんな意味で。(笑)
人類壊滅を予言する戦慄の書!!??

生物学者池田清彦の『環境問題のウソ』
物理学者槌田敦の『環境保護運動はどこが間違っているのか?』
資源材料工学武田邦彦の『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
と、ど素人の環境ウソ本ばかりの中、
ついに本物、地球惑星科学の専門家からの環境ウソ本を読んだ。

氏は、岩波新書から『生命と地球の歴史』という名著を送り出した、
本物の科学者である。科学評論家ではない。

しかしいきなりタイトルから無理がある。この意味は、
科学者の9割が「地球温暖化の主原因はCO2か?」という質問に、
Yesと答えなかったという意味である。
科学者は知らないことには"わからない"と答えるのだ。

地球の温暖化の根拠。
古気候学者マイケル・マンが樹木の年輪から過去の気温を推定。
これが発端というから、意外に根拠は弱いのだ。

著者はこの分析に異を唱えている。
宇宙線量と気温が相関することから、
地球はこれから氷河期を迎えて寒冷化すると宣言しているのだ。
そして温暖化か氷河期か、5~10年後にははっきりするという。
科学者らしく白黒はっきりケリを付ける気である。

そしてむしろ地球の危機はそんなものではないという。
それは石油と人口問題である。
確認されている石油はあと37年でなくなるし、
新しい埋蔵を計算しても68年しかもたない。
そして人類の産業はほとんとが石油に依存しており、
石油が尽きれば農業生産を維持することも難しいのだ。

21世紀は人類史一万年のバブル時代の終焉の時代であるという。
石油が人類に人口バブル時代をもたらし、
石油の枯渇が人類の人口バブルを壊滅させるのである。

これは笑いごとではない。
いま現在既に世界の穀物在庫は食糧危機の水準まで
低下しており、
いつ地球全域で飢餓の時代が来てもおかしくないのだ。

そしてそれに対抗するためには、
国家を超えた地球政府が必要だとする。

ここからは完全に著者の専門を越えた領域であり、
奇妙な議論も多いが、必ずしも笑って読むことではない。
いわゆる環境ウソ本の多くが、
細部に真実が多いものの根本が間違っているのに対し、
この本は細部に間違いが多いものの根本は正しいからである。

・太平洋戦争は人口圧が起こした
人口増加の悪を訴えるのはわかるが、経路依存性を無視しすぎ。

・ドイツの大学の教科書はすべて英語
そんなわけないでしょう。物理学だけの話かな?

・世界の5地域に分割してEUのような地域連合
・上位に超政府を作る
難しいものの、資源管理を基本にした組織は作るべきと思う。

・民主主義国家のほとんどが自分で民主化したのではない
世界はいまだにアメリカが必要なのである。
人類史最期の覇権国家アメリカを中心に、
新しい世界を切り開くことができるだろうか。

・オランダでは不動産は個人所有のみで相続できない
住んでる家も相続できないのかな?
それだと厳しそう。

・今日の一言
石油が人類に人口バブル時代をもたらし、石油の枯渇が人類の人口バブルを壊滅させる。
석유가 인류에게 인구 버블 시대를 초래하고, 석유의 고갈이 인류 인구 버블을 괴멸시킨다.
石油给人类带来泡沫时代,石油的干涸结束人类发展的泡沫。
Petroleum brings the population bubble to human, and the exhaustion of petroleum will shatter the human population bubble.

タグ:丸山茂徳
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