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誰でもいいから殺したかった!-追い詰められた青少年の心理(ベスト新書) [本(法律と犯罪]

『誰でもいいから殺したかった!』
碓井真史(スクールカウンセラー、社会心理学)
ベスト新書(2008)


無差別殺人犯についての考察。

秋葉原無差別殺人犯の教育環境。
中学の成績はトップで、高校も県下一の秀才だった。

異常な母親の管理意識。
女の子から来たハガキを見せしめとして貼り付ける。
食事を新聞紙にぶちまけその残飯を食べさせる。
作文も絵も親が書いたものを提出したという。

注目と関心を求める甘え-攻撃型犯罪に分類している。

人は自分のためだけに生きようと思っても勇気も意欲もわかない。
これは重要な考え方。
自分のためを中心に考えて生きる習慣を持つと、
実は何事にも意欲的に行動できなくなるのだ。

トラビス・ハーシーの社会的絆理論
家族学校職場などとつながりがあるから犯罪を犯さない。
孤立した人間こそ最も危険である。

ニーバーの祈り
神よ、私に変えられるものを変える勇気と、
変えられないものを受け入れる心の静けさと、
そしてのその二つを見分ける知恵を、我に与えたまえ
心の葛藤をいかに処理するか、仏教の思想に近い。

思うに、こうした凶悪犯罪が起こると、
必ず原因を巡る論争が起こるが、連鎖する因果関係では、
何か一つを原因として挙げても意味はない。

犯罪におけるロイヤルストレートフラッシュ理論というのを考える。
ロイヤルストレートフラッシュは、
ただカードが絵札だけでもだめ、
ストレートに並ぶだけでもだめ、
マークがそろったフラッシュでもだめ。
この3つの条件がそろわないと成立しない。

殺人事件も同じ。
社会環境、教育環境、個人性格の3つがそろってはじめて
殺人犯が誕生するのである。

凶悪事件があるとしばしば、
俺の親はひどかったけど俺は人を殺したりしないとか、
派遣で苦しんでいるのはいっぱいるが殺人しないとか、
いう人がいるが、
これは、因果関係とは何かを理解しない、
発言者の智力を低さを示すに過ぎない。

・今日の一言
God, give us grace to accept with serenity the things that cannot be changed, courage to change the things that should be changed, and the wisdom to distinguish the one from the other. (Serenity Prayer)
神よ、私に変えられるものを変える勇気と、変えられないものを受け入れる心の静けさと、そしてのその二つを見分ける知恵を、我に与えたまえ。(ニーバーの祈り)
주여, 우리에게 우리가 바꿀 수 없는 것을 평온하게 받아들이는 은혜와 바꿔야 할 것을 바꿀 수 있는 용기, 그리고 이 둘을 분별하는 지혜를 허락하소서.(평온을 비는 기도)
神啊,求您赐我宁静的心,接受我所不能改变的事,赐我勇气,改变我所能改变;赐我智慧,分辨两者的差别。(宁静祷告)

タグ:碓井真史
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