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ネットいじめ(PHP新書) [本(社会心理学]

『ネットいじめ』
荻上チキ(メディア論、テクスト論)
PHP新書(2008)


ネットと子どもの関係を知る良書。

セキュリティソフトや警備会社などの不安業界。
不安業界という言葉はびったりだ。
日本はこういうメディアが
不安を煽って消費を強要する、
マッチポンプなことが多すぎる。

学校裏サイトの正しい理解。
学校裏サイトでなく学校勝手サイト。
学校勝手サイトとは学校のことを話し合う、
生徒のための掲示板機能付きサイト。

裏サイトによっていじめが見えなくなったのではなく、
サイトによっていじめは可視化された。
というのも、サイトのいじめは証拠が残ってしまうからだ。

こうした問題では誤解が多く、
この本では、下田博次、尾木直樹といった人の誤謬が、
挙げられている。

いじめは人類共通の病気で風邪のようなもの。
風邪を一掃するのは無理だが風邪にかかりにくくすることはできる。
すなわち、いじめも無くすというより減らすべきものである。

ケータイがコミュニケーションを変化させた技術決定論でなく、
コミュニケーションスタイルの変化が、
ケータイやネットの技術の出現を望んだと考えた方が妥当という。

さすがにこれはないな。
因果関係として無理だし。技術決定論が正しい。
現実は一つだが望むものはたくさんある。
望んだもの実現するわけではなく、
ケータイやネットの技術の出現を望んでも、
それは要素を一つ提供するだけに過ぎず、
それ自体には生み出す力がないのだ。
やはりケータイがコミュニケーションを変化させたというべきである。

面白いのは学校において、
生徒たちがキャラを獲得するということ。
友人関係において役割があるということだ。

日本人が役割で動くというのは有名である。
与えられた場所に従おうとするのだ。
この日本的特性は既に学校にも現れているのだ。

欧米や中国、韓国にはこういう特性はない。
やはり学校や会社などの共同目的型組織への帰属意識が、
個人、家族、地域、国などへよりも強いということだ。

これは学校組織の濃密さに原因があるのかもしれないな。

・今日の文中の一言
しりとりがはやっているよ。みんなと絡めるから飽きないし。
Word-chain game(last and first) is popular. It's a game which everyone can join, so we don't get bored.
말잇기가 유행하고 있어. 모두와 같이 놀 수 있으니까 싫증 나지않아.
"接尾令"流行着呢。那是能和大家一起玩儿的,所以不腻。

タグ:荻上チキ
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