SSブログ

脳内汚染 [本(日本の問題]

『脳内汚染』
岡田尊司(医療少年院、脳病態生理学)
文藝春秋(2005)


論理的に正しいが現状認識に誤りがある。

ゲームなどの犯罪への影響を述べたもの。
残虐映像を見たり、
そういうゲームをすることで、
殺人行為に対する脱感作が起こるのである。

男性の方がゲームに興味を示し
ゲーム依存を生じやすい。
発達障害のある子どもに映像メディアの悪影響が強い可能性。
言語の発達の弱い男子、特に学習障害があるケースでは、
映像の影響力が強くなるのだ。

メディアが過密効果を加速すること。
人間は過密だとストレスが増し攻撃的になるが、
メディアのために体感的に過密になるのだ。

海外ではビデオゲームの危険についての論文が多いが日本では少ない。
マスコミ関係者のゲームへの否定的記事掲載への躊躇があるらしい。

この本の問題点は3つ
・日本の現状認識が間違い
・ゲームの内容に踏み込まず全否定していること
・より重大な問題を無視して不公平であること

この本の日本の現状認識は間違いである。
日本の凶悪犯罪は増えていない。
報道が増えただけである。

またゲームの内容に踏み込んでいないこと。
すべてのゲームが悪いわけではない。
かつてゲーム脳という言葉が流行ったが、
その論理だと、将棋脳、ソロバン脳など
集中力を使うものなら何でも成立する馬鹿げたものだった。

悪いのは、残虐シーンに対する慣れを作ることで、
先天的な嫌悪感を取り除いてしまうことである。
特にゲームでは、
そうした残虐映像に耐えて判断することが要求されるので、
タチが悪いわけである。

またメディアの影響は若者に限らない。
確かに、ひきこもりやニートは重大な問題だと思う。
だか、ひきこもりやニートの人数のほとんどを占めるのは高齢者である。
彼らが家にこもって毎日5時間~10時間もテレビを見て妄想を膨らませ、
被害妄想的な若者論が展開され、非現実的な政策が採用されていく。
キレる老人による殺人事件も頻発している。
まさにひきこもりニート老人のテレビ脳問題は、
日本の行く末さえ左右する重大問題である。

・今日の一言
残虐映像には殺人行為への脱感作の効果がある。
Cruel images have the effect of desensitization to murder.
잔학한 동영상에는 살인 행위에의 탈감작(脫感作)의 효과가 있다.
残酷画面有使杀人行麻木不仁(desensitization=脱敏)的效果。

タグ:岡田尊司
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。