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幸せはいつもちょっと先にある-期待と妄想の心理学 [本(幸福論]

『幸せはいつもちょっと先にある』
ダニエル・ギルバート(社会心理学)
早川書房(2007)


サブタイトルそのままの内容、錯誤の認知心理学を解説

メインタイトルは内容とかみ合っていない。
happinessを幸せと訳しているせい。
日本人の英語の誤解の一つにhappy=幸せがある。
正しい訳はhappy=嬉しいである。
happyはhappen(起きる)と同根で、
ある出来事によりもたらされた喜びを指すのだ。
原タイトルstumbling on happinessを直訳すると、
「満足感につまずく」ぐらいかな。

テーマは、未来の感情予測はなぜ間違えるのか、
その認知心理学の解説をする本。
どうすれば幸福になれるかとは全く関係がない。

よい選択をするにはどうするべきかについても
著者の解答が最後に少しだけある。
それは代理体験、経験者に聞くことが一番確実としている。
これも幸福のためでなく、どうすれば満足できるかである。

面白い表現。
謝辞には著者のために執筆した人の名前を列挙するそうだ。
著書の多い人なんかはそうかもしれない。

著者の示す人間の特徴。
唯一人間だけが未来について考えること。
……言語を使うという表現で十分な気がする。
なぜなら言語を使わないレベルの未来思考なら動物もするからだ。

『発達心理学キーワード』
内田伸子(発達心理学、認知心理学)
有斐閣(2006)


ちょっと内容に不安を感じる……
特に池田清彦の科学論が出てくるところ。
まあ、私は氏の科学論を読んでいないので、
断定はできないけど。
トンデモ臭を我慢して一度読んでみようと思う。

教育で重要なこと。
親の養育態度の良し悪しは、
子どもの気質や能力と親の期待と要求とのマッチングによる。
ある一定の教育が正しいというのではなく、
子どもをよく見て、子どもごとに違う対応が必要なのである。

サメロフとチャンドラーの発達の相乗的相互作用モデル。
これは典型的な相互因果モデルで、
人間のかかわる事象はすべてこういう構造を持っていると思う。

気になったこと。
大人より子どものほうが言葉の獲得が速いと、
特に疑問もなく断言していること。
子どもはその生活がすべて語学学習のようなもので、
時間数が圧倒的なので、本当に速いとは言えないと思う。

ルリアの実験。
4歳の子どもに「押せ押せ」というと二回押すが、
「2度押して」というと2度押しができない。

フライダの行動傾向という考え方。
これは私の感情に対する考え方とほぼ方向だ。
ただこちらは分類しただけで系統化できてないね。

・今日の一言
謝辞に書かれた名前が本の本当の著者である。
A name in the acknowledgments is the true author of the book.
사사에 씌어 있는 이름이 책의 정말인 저자다.
出现在谢词里的名字是其书的真正著者。

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