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人が人を殺すとき-進化でその謎を解く [本(法律と犯罪]

『人が人を殺すとき/マーティン・デイリー&マーゴ・ウィルソン/新思索社/1999』
著者:心理学者
評価:殺人とは何か客観的に知る良書

生物学的観点から分析すると決まって出る批判が決定論。
しかし著者は決定論の非難は、
行動に関するすべての学問に向けられるべきという。
全く同感で、そもそも決定論でない学問なんて成立しないのだ。

犯罪学の陳腐なデマ。
人は多く家族に殺されるもの。だから、
"午前3時のセントラルパークは自分の家の寝室より安全だ"
これは典型的な頻度と確率の混同。
家族とは接触時間が長いというだけのことなのだ。

人は血のつながりで人への態度を変える。
非血縁の同居者は、血縁であるより11倍殺されやすいらしい。

ほとんどトンデモ理論と考えられているフロイトが
今でも人気があるのはなぜか?
フロイトのエディプス理論が人気があるのは、
それが大人の聞きたいことだからという。
マスコミで流れる情報と構造が同じだな。

殺しの動機は口論と名誉。
殺しはつまらない理由で起こるのだ。

殺人の男女差。
男女が平等になり女性の殺人は増えたか?
暴力的な犯罪における女性の割合はこの30年間減少している。
殺すのはやはり男なのだ。

また、殺人よりも強盗殺人について男性優位。
お金目的で人を殺すのは男であり、女はあまり殺さないのだ。

殺人は科学の発展により増えたのか?
非暴力的な狩猟採集民のクン・サン。
50年間で殺人事件は22件だった。
年間100万人あたりとすると293件となる。

対してカナダは25件強、アメリカやブラジルはその数倍程度。
都市に住む現代人は人を殺さないのだ。

最も少なかったのがアイスランド。
1900~1939年に殺人事件は2件で、
100万人あたり年間0.5件だったという。

逆に最も多いと見られるのがニューギニアのいくつかの部族で、
5000~8000件になるという。

殺人は必ずしも罰されるわけではない。
1980年のマイアミで殺人が処罰されたのはたった1/8。
100人以上が万引きや不法侵入者を射殺して正当防衛になっている。
過剰防衛と思うんだけどな……

・今日の一言
アメリカの殺人事件は多くが正当防衛で無罪になる。
Most of murder cases in US are self defense, so they become innocent.
미국의 살인사건의 대부분은 정당방위로서 무죄가 된다.
许多美国的杀人事件由于正当防卫被判为无罪。

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