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東大脳の作り方(平凡社新書) [本(教育]

『東大脳の作り方』
安川佳美(女子東大生、空手は黒帯)
平凡社新書(2006)


自伝。勉強をたくさんして成功した例。

親はけっこうスパルタで、著者も実に素直な子。
親の言葉、一番以外は意味がないを受け入れていたようだ。

中学高校と過ごした桜蔭は4人に1人が東大に現役合格する。
そういうところでよく勉強して東大合格したわけ。

いじめについての考え方。
転校を重ねたためいじめにあったが、
ひとりでもいいやと思える余裕ができたという。
一人になることを恐れないというのはいじめ対策として大事である。

女子のいじめは小学生でも団地の奥様方に近いそうで、
じめじめした感じだ。

勉強しても将来あまり使えない人間と、そうでない人の違い。
自分に合った型を模索して確立していく能力と、
人から与えられた型を忠実にコピーして、
自分の中に取り込む能力の違いに相当するという。
受験勉強ではこの二つの能力の違いを振り分けることはできないので、
東大生でも賢くない人がいるわけ。

勉強すれば報われるというを示す意義のある本だと思う。
ただかなり生まれつきの才能がありそう。
普通こんなに子どもの頃から本を読んだり、
記憶力がよかったりしないもの。

『子どもの脳は蝕まれている』
寺沢宏次(精神生理学、環境生理学、運動生理学)
ほおずき書籍(2006)


go/no-go課題から子どもの脳活動の低下を指摘。
疑問点が多すぎ。

子どものgo/no-go課題の成績の低下を指摘し、
特に小6での成績の低さを示し、
その原因をテレビ・テレビゲームとする。

統計の解釈はどうにも問題があり、あまり信用がおけない。
小6の成績の低さがテレビ・テレビゲームの視聴時間と相関するので、
その原因と考えるのだが、疑問点が多い

テレビとテレビゲームを同じに見るのが不可解。
go/no-go課題との関連なら、
テレビゲームは成績向上に結びつくのではないか?
テレビは受動的だが、テレビゲームは受動的ではない。

小6の成績について、子ども脳の発達の遅れと見るわけだが、
むしろ以前より発達が早くなり、思春期が来ているためとも考えられる。

自分で体験することの重要さ。
ある野球コーチが、選手に流し打ちを教えたところ、
別のコーチが、教えてはいけない、自分で発見しなければならないとし、
自分の手足で体得したことは忘れないが
教えてもらったことは忘れるものだという。

実に説得力のある意見だ。
……というのは安直である。

自分で体得しても、忘れるものは忘れる。
それが定着するかどうかは、その後の反復練習次第である。
さらに自分で発見した場合、独善的なものとなり、
低いレベルの完成で終わる危険もある。

こうした自分で苦労して体得した方が忘れず貴重なものだというのは、
心理学でいう、認知不協和理論の典型例である。
簡単に手に入れたものは失ってもいいが、
苦労して手に入れたものは、
よいもので失わないものという思い込みが生まれるのだ。
だから、よりもっとよいものが簡単に手に入っても、
その方がよいものであることが理解できなくなるのである。

苦労して手に入れようが、人から教えてもらって手抜きしようが、
大事なのは、その後の反復である。

・今日の一言
自分に合った型を模索して確立していく能力を身につける。
자신에게 맞은 방식을 모색해서 그걸 확립할 능력을 익힌다.
养成寻找适合自己的方式的能力。
Acquire the ability to find your suitable style and establish it.

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