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細胞のはたらきがわかる本(岩波ジュニア新書) [本(生物学]

『細胞のはたらきがわかる本』
伊藤明夫(生化学、細胞生化学)
岩波ジュニア新書(2007)


わかりやすい生物学の解説書。

生命の定義は3つ。
1.外界との境界
 自他の区別があること。
2.自己増殖
 増えること。
3.代謝
 活動して自己を維持していること。

ウイルスは3に抵触するので、完全なる生命とは言えないわけだ。

生命の単位はあくまでも細胞である。
著者は、細胞を"いのちの素粒子"と呼んでいる。

生命科学の有名人、黒人女性ヘンリエッタ・ラックス。
彼女の癌細胞が、ヒーラ細胞として全世界の研究所で活躍しているのだ。

ヒトと他の生物との大きな違いは生殖期間の後。
チンパンジーは生殖可能期間はヒトと同じ。
ただし生殖期間が終わってからの生存期間は5年しかない。
生殖可能性がなくなっても長く生きるのはヒトだけである。

細胞の中の活動の説明もわかりやすい。
細胞は都市国家のようなものという。
城郭と細胞壁/細胞膜を類比できて面白い。

『行動はどこまで遺伝するか』
山元大輔(行動遺伝学)
サイエンス・アイ新書(2007)


行動遺伝学研究史。

好きなタレント専属ニューロンがあるという。
これって否定された"お婆さん細胞説"とどう違うんだろう。

ヒトの遺伝子は25000個。
計測が正確になるたびに減っていくのが面白い。


『生物がつくる〈体外〉構造』
スコット・ターナー(動物生理生態学)
みすず書房(2007)


動物が作る建造物は生理作用を持つ体外器官。

渦と生物の共通点
秩序、独立、過剰な慣性力を熱として発散
エネルギーが補給される間のみの一時的現象
生命現象を考えるヒントにはなる。

ダーウィンは進化生物学だけでなく、
土壌科学の創始者でもある。ミミズの研究が有名だ。

ゴールドバーグのてこ
説明が複雑であればあるほど真実らしい。
オッカムのカミソリに対抗して考えたもの。

マルティン・リュッシャー
シロアリの塚は、
コロニーのための巨大な心肺装置として機能している、
自動的に巣の環境を調節しているという。

現代人とネアンデルタール人の分岐は37万年前らしい。
意外に近い時代である。

・今日の一言
ヘンリエッタ・ラックスの細胞は世界中で今も生き続けている。
The cells of Henrietta Lacks now live all over the world.
헨리에타 랙스의 세포는 지금도 온 세계에서 계속 살고 있다.
海拉赖克斯的细胞至今还在全世界上还活着。

タグ:伊藤明夫
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