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"環境問題のウソ"のウソ [本(農業と環境]

『"環境問題のウソ"のウソ』
山本弘(作家、と学会会長)
楽工社(2008)


武田邦彦の本の間違い探し。
槌田敦、池田清彦の間違いも。

基本的に間違い探し本である。
数字的な間違いやデータの勘違いなどが多数あるのでそれを指摘したもの。

飲料容器ゴミは減っている。
スチール缶とガラス瓶からアルミ缶とペットボトルへ移行したということ。

ペットボトルの水は無意味。
日本の水道水の安全基準はミネラルウォーターより高い。
体に悪い可能性はミネラルウォーターの側にある。

"環境ウソ本"の著者の一人池田清彦。
GISSの海上にも温度測定点はある。
マイケル・クライトンの小説上の学者を実在のように引用しているらしい。

"環境ウソ本"の著者の一人槌田敦。
槌田氏のCO2温暖化を否定するグラフは、
そのまま温暖化を肯定するグラフである。

アメリカで起こった京都議定書への反対運動、オレゴン嘆願書。
科学者の署名の主宰者の物理学者フレデリック・サイズは、
タバコ会社から献金を受けて間接喫煙の健康を否定した前科がある。
純粋な科学的反対というわけではないのだ。

"環境ウソ本"の3著者ともに思考力が杜撰であること疑えないと思う。
ただしそれは本全体が持つ主張が間違いであることを意味しない。
これも注意点である。

思うのだが、そもそも武田邦彦や、槌田敦、池田清彦の本は、
一つ残らず文章にトンデモ臭がぷんぷん漂っている。

著者はトンデモの判断法として、
素人の印象を信じるな。専門家の言うことに耳を傾けろという。

実際、彼らが一人残らず専門家でないことに疑問を持つべきだ。
環境問題の専門家とは、環境経済学者や行政学者である。
環境経済学者や行政学者の適切な解説書が求められるところだ。

武田邦彦、槌田敦、池田清彦の本が受け入れられる理由は簡単である。
それが行政と業者の利権を指摘しているからだ。
これはテレビや新聞におけるブームだからである。
ネット上には彼らの支持者が多いが、それはネットの世論が、
しょせんマスメディアの劣化コピーに過ぎないことを示している。

行政の腐敗を指摘するのはテレビや新聞の愛好することだが、
環境問題での業者と行政の癒着についてはあまり語られないのはなぜか、
それを少し考えてみるべきだろう。

こうした環境問題の現状評価については意見が割れているわけだが、
実際にこれからどうすべきかについては、
実は専門家も、武田邦彦、槌田敦、池田清彦らとも大きな差がない。

必要なのは、環境税/炭素税の導入と、廃棄物の生産者責任である。

・今日の一言
日本の水道水はミネラルウォーターより安全だ。
Japanese tap water is safer than mineral water.
일본의 수도물은 미네랄 워터보다 안전하다.
日本的自来水比矿泉水更安全。

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