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数学でつまずくのはなぜか(講談社現代新書) [本(数学]

『数学でつまずくのはなぜか』
小島寛之(数学エッセイスト)
講談社現代新書(2008)


子どもたちの数学へのつまずきから
数学の本質を考える。

数を理解するコツ。
方向算モデルとしての
気球昇降モデルで負数を理解する。
イコールをてんびんのつりあいに置き換える。

数学と語学の不思議な類似。
学校教育での語学や数学の成績は
創造性、積極性、独立心と負の相関。
我慢強い、堅実、学校への帰属意識、
如才なさと正の相関するらしい。

数のアフォーダンス。
自然や社会の特定の事物には、
数理的に表現できるというアフォーダンスが備わるという。
集合と写像を利用して数を数える一対一対応。
事物には同数であることがわかるというアフォーダンスがある。
数は自然界の性質なのだ。

古代の数学者ピタゴラス。
すべての物質は粒子と考えた。
物質の質量は整数比であるのに、√2は整数比にならない。
√2は異端の数として隠されたという。

数学の証明はロールプレイングゲーム。
数学の公理系はユークリッドクエストなのだ。

関数とはどういう意味か。
英語ではfunction。
これを中国語で音訳してhanshuに。漢字では函数。
日本に持ち込み当用漢字として関数になってしまった。
これでは元の意味がわからず理解しにくいわけだ。

微積分の考え方。
超微量数e。0でないので割ることができる。
これを利用するわけ。

算数だけが障害された女性。
時計が読めず計算できない。
順序や大小が記憶できないようだ。
運動の組み合わせの記憶ができないのだろう。
大脳基底核、小脳、前頭葉などのどこかに
問題があるのかもしれない。

教育論を語る者に偽物が多い。
何かの分野で名声を得た人はえてして教育のことを語りたがるが、
その多くは個人の特別な体験の域を出ず、
かえって有害なことが多いという。
全く同感だ。
教育は教育学者が語るべきである。

『デザインにひそむ〈美しさ〉の法則』
木全賢(プロダクトデザイン)
ソフトバンク新書(2006)


工業デザインの考え方を知る良書。

三分割法とは。
画面を上下左右にそれぞれ3分割し、
主要な要素をその交点のいずれかに置く。
重要な要素が2つか3つがあるとき有効。
1つのときは左右2分割、上下3分割し、
その交点に重要な要素を置くこと。

デザインと性能の関係。
デザインが良くて性能が低いとメーカーのイメージが悪くなる。
良いデザインは性能が良いと思わせるので、
消費者が落胆するからだ。

デザインの4原理とは。
可視性:見てすぐ分かる。
対応付け:方向や位置関係が相関。
概念モデル:ウインドウズのゴミ箱など。
フィードバック:結果と反応がはっきりしている。
4つ揃うのがよいデザインだ。

悪い例。
マックではCDやDVD取り出しにアイコンをゴミ箱にドラッグするらしい。
それはわかりにくいな。

テレビの形の不思議。
初期のテレビ画面は丸かった。
覗かれているみたいという苦情が殺到し四角に変更した。
四角いとこちらから見ているというアフォーダンスがあるという。
丸と四角のアフォーダンスの不思議である。

日本の玄関は外開きなのはなぜか。
玄関が狭いため。
玄関の内側に荷物が置けるというわけ。

・今日の一言(ピタゴラス)
世界は粒子でできているから整数で割り切れないものは存在しない。√2やπは存在しない。
This world is made of particles, so there is nothing which cannot be divided by an integer. There are no such thing as √2 and π.
세계는 입자로 되어 있기 때문에 정수로 나눌 수 없는 것은 없다. √2나 π는 없다.
这个世界是由粒子构成的,所以没有用整数除不尽的东西。没有√2和π。

タグ:小島寛之
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