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よくわかる教授法(日本語教師・分野別マスターシリーズ) [本(日本語学習]

『よくわかる教授法』
小林ミナ(日本語教師)
アルク(1998)


教える方法が詳しくわかる。勉強法の参考にもなる良書。

教授法だけど、勉強にも役に立つ。
自分の先生はまず自分だから当然だ。

テキストの構造分類なども面白い。
文法シラバスは、英語の教科書など文法要素の順になっているもの。
機能シラバスは、勧誘の文、依頼の文の類型で分類されているもの。
場面シラバスは、場面で分類されているもの。
課題シラバスは、到達目標で分類されているもの。
話題シラバスは、図書分類や社会事象など辞典的に分類されているもの。
自習者にとっては、場面シラバスが覚えやすそうだ。

外国語教授法の歴史も面白い。
文法翻訳法は、ラテン語教育より。漢文読解みたいなものだ。
学校の学習がこれに近い。

ベルリッツ・メソッドは、母語を徹底的に排除する。
あまり効率的ではない気がする。中級以降向きかな。

オーラル・メソッドは、幼児の母語習得を再現するもの。
母語と外国語学習は違うからこれも難しいだろうね。

アーミー・メソッドは、上級教師とドリルマスターに分かれる。
上級教師/言語学者による文法説明と、
ドリルマスター/母語話者による口頭練習がある。
先生を2種に分けるのはよい方法かも。

オーディオリンガル・メソッドの特徴は、
パターンプラクティスと呼ばれる口頭練習。
ただ何だがバカバカしいのが難点かな。

サイレント・ウェイは、サウンド・チャート、カラー・チャート、
語彙チャート、フィデル、ウォール・ピクチャーなどを使い、
教師は一切話さない。声を出さないのだ。
私は体験してみたことがあるのだけども、
これがちゃんと語学学習になるのが面白い。
ただかなり効率が悪い感じだった。

コミュニティ・ランゲージ・ラーニングは、
学習者は円形に座り、教師は背後に立つ。
リラックスできるのが特徴。

トータル・フィジカル・レスポンスは、言語と動作を結びつける。
基本動詞などの深い理解にいい。
初級の学習者に必要だと思う。

まあ、これらの優劣を直接考えるより、
それぞれの利点を考えて、
生徒の状況を考えて使い分けるのがよいのである。

・今日の一言
サイレント・ウェイでは教師は一言も声を発しない。
The silent way teacher does not speak a word.
침묵교수법 교사는 한마디도 목소리를 내지 않는다.
默示教学法的教师一句话都不说。

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