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環境保護運動はどこが間違っているのか?(宝島社新書) [本(農業と環境]

『環境保護運動はどこが間違っているのか?/槌田敦/宝島社新書/2007』
著者:熱物理学、環境経済論
評価:根拠のない想像ばかりの本だが、考え方の根本は正しい

"思う"という言葉が頻出する想像ばかりの本。
ただし解決策としては、経済法則に基づくべきこと、
生産者側が責任を負うべきことなどは、
専門家の意見と一致している。

リサイクルするからたくさん作りゴミが増えるという。
あるいは水銀を回収するからもっと使うようになるという。
しかしリサイクルするからゴミにしちゃ駄目だと思ってもいいわけで、
論理的結びつきがない。すなわち何も言えないのである。
これがいいたければ、統計的に実証すべきである。

牛乳パックはリサイクルに適さない。
牛乳パックには内側にポリエチレンフィルムが貼られていて、
そのまま再生できないのだ。
リサイクルできないものをリサイクルするのは資源の無駄である。

すべての工業はリサイクルによるもの。
原油は最初は灯油のみ使用したが、
余りのガソリンをリサイクルして内燃機関に使ったのだ。

リサイクルの本質は何か。
人間社会でリサイクルしても自然の循環に乗らないと無意味。
真のリサイクルとは自然のサイクルに人間も参加することなのだ。

リサイクルの方法を考えるより、リサイクルできない物を出さないこと。
ゴミは資源を使うところから考えねばならない。
生産者側こそが環境を守るのである。

著者は極論が好きなよう。
対策せずに困り果てることが必要などとという。
論理的にも意味不明。困り果てて何もなければ悲惨なだけである。

炭酸ガスを出さない原子力発電は建設コストを考えれば騙しだという。
それは発電所建築がガスを出すのであって、発電ではない。日本語が変。

温暖化と原発の疑惑。
地球温暖化対策に積極的なのはみな原発推進国としている。

環境問題は経済の法則で解決すべし。
毒物等物品税、処理困難物に課税すること。
技術開発には補助金でなく自由競争させること。
結局、やっぱり炭素税に似たものが必要なわけだ。

日本の環境汚染の原点足尾銅山。
足尾銅山が渡良瀬川を汚染し、
ついには利根川の流れを銚子沖に変更したという。
それって、江戸時代じゃ……時期が合わないような。

環境問題の解決の難しさ。
環境問題解決は未来の子どもたちのためのもの。
解決に負担しても、自分たちの利益にはならないのだ。
自分たちの子どもの世代の利益になるのである。

瓶回収の不公平さ。
アルミ缶はビール瓶と違い回収費用がただでアンフェアなのだ。
リサイクルが環境に悪いシステムを後押ししているのだ。

環境対策の切り札。
家電製品や自動車はレンタル方式にすること。
するとメーカーの所有物品なので勝手に捨てることができなくなる。
飲料水の容器もレンタル式にする。
勝手に捨てると所有権の侵害として罰金される。
……産業界が賛同しないから無理だろうね。

・今日の一言
環境問題を解決することは自分たちの利益にはならない。未来の子どもたちの利益になるのだ。
To resolve global environment problems cannot benefit us. It can benefit our children.
환경 문제를 해결하는 것은 자기들의 이익이 될 수 없다. 미래 아이들의 이익이 될 수 있다.
环境问题不是为我们的利益解决的,而是为孩子们的未来解决的。

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