SSブログ

アメリカに潰される!日本の食-自給率を上げるのはたやすい! [本(農業と環境]

『アメリカに潰される!日本の食/山田正彦/宝島社/2005』
著者:衆議院議員、弁護士
評価:日本農業の未来を探る

アメリカの牛肉は安全か?
ニューヨーク近郊、ガーデンステート競馬場の集団ヤコブ病発生事件。
人口11万の町で11年で死者17人。
感染牛の骨付きステーキを食べたためかもれしないという。

プリオン研究の第一人者プルシナーは、
プリオンたんぱくはアルツハイマー病の原因の可能性ありとしている。

日本は外圧に弱い。
日本国内で禁止されるホルモン剤使用牛肉が輸入は許される不思議。
国内生産と輸入で条件が違うなんで実に馬鹿げた話だと思う。

中国の毒菜=農薬混入野菜の中毒患者は年に10万人。
中毒事件など日常茶飯事である。
日本に輸入された中国産シイタケは腐らない。
調べるとホルムアルデヒドが検出されたという。

アメリカのアグリビジネスによる農業支配の構図。
種子と除草剤がセットの遺伝子組み換え農業を押し進める。
種子はある特定の除草剤に耐性があり、セットである。
そして種子は一世代で終わりなので毎年購入しなければならない。
遺伝子組み換え農業を始めた途上国は、
まるで中毒患者の如くアグリビジネスの多国籍企業に依存した存在となるのだ。

農業が儲からないのは日本だけではない。
米国は農産物の市場価格の1.5倍の補助金を出している。
米国の農家所得の46%は国からの補助金なのだ。
各国農家の所得における政府助成金を見てみよう。
米国46%、英国76%、ドイツ50%、フランス52%、日本0.7%である。
こんな不公平な競争があるだろうか?

EUの食糧自給率アップの方法、キャップ制度。
過去平均3年間を指標価格としてして1割でも下回れば買い支えるのだ。
食料が余れば、海外に輸出する。
EUでは域内の買い入れ価格と国際相場との差額を、
輸出補助金として輸出業者に支払いしているのでそれが可能なのである。

これらは決して違法ではない。
WTOで認められた農業のAMS国内助成総量枠は、日本は3兆9729億円。
だが日本はAMS枠の18%使用していない。
米国は75%、EUは64%を使っている。

日本の農業予算をなぜそこに使わないのか。
農業予算の44%、1兆3124億円を占めるのは公共事業である。
土地改良と農道であるがそれはもはや必要ない。が、止められないという。
なぜなら、自民党は農家から票をもらい土建業者からお金をもらうかららしい。

農業品目について、セーフガードよりも、
コスト差を直接支払いすべきだという著者の主張には説得力があると思う。

・既読の関連書
日本農業が発展しない最大の理由を遠慮なく指摘した本。
『日本の食と農-危機の本質/神門善久/NTT出版/2006』
その土地行政が日本全体を蝕んでいることを指摘した本。
『高度経済成長は復活できる/増田悦佐/文春新書/2004』

・今日の一言
輸入野菜は何ヶ月経っても腐らない。
Imported vegetables are not spoiled for many a month.
수입 야채는 몇개월 지나도 썩지 않는다.
进口蔬菜经过几个月还是不腐烂。

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。