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1万円の世界地図 図解日本の格差、世界の格差(祥伝社新書) [本(日本の問題]

『1万円の世界地図/佐藤拓/祥伝社新書/2007』
著者:科学ジャーナリスト
評価:日本をデータから客観的に知る良書

東京の食品価格は世界一、けどアパート家賃は高くない。
さらに実はヨーロッパ主要都市の賃金は東京の1.5倍。
実は日本の物価は特別高いとは言えないのである。

単身者の税金と社会保険が一番安いのが日本。
それが高いのはデンマークだが、
夫婦子ども二人では負担が最小になる。
日本の社会制度は、子どもを産むと不利なように設定されている。
そういえば医療も小児科と産科を破壊しているし、
この国の政治は少子化を推進するのが好きなようだ。

日本のタバコ税は欧米の半額程度と安い。
しかし、日本の酒税は飛び抜けて高い。
アメリカの10倍、ドイツの20倍になるらしい。
ちょっと不思議だ。なぜ酒が高いのだろう。

日本の消費税5%の4%が国で、1%が地方に使われる。
さてこの比率だが、
地方の活性化のためには、消費税はすべて地方税にすべきなのだ。
都市部を生産の地域と考え、
地方をリゾートや観光などの、消費地とすることで、
地方が活性化できるからである。

途上国では、子どもを学校に通わせるために給食を配布している。
一食浮くということで、
親も学校に通わせるようになるというアイディアである。

軍隊を持たない国コスタリカ。
警察のような武力はあるが、戦闘機や戦車を持っていないのだ。
ただしそのため米国依存であるという。日本に似ている。

日本の労働生産性はOECDで20位。
日本の労働効率は低く、労働時間の長さで補っているに過ぎない。

近年騒がれる、子どもの学力低下、
しかし、それより深刻なのは子どもの体力低下。
もっと運動させた方がよいようだ。

高卒人口は1992年に205万だったが、2006年は133万に減った。
実はこれが学力低下論のトリック。
東大のレベルの低下というが、人口が3分の2なので、
東大に入学する学生の3分の1は、
以前の東大なら入れないレベルの人たちが入学しているのだ。

日本の出版点数は人口比率から見ると少ない。
江戸時代は世界一だったと言われるので、
現代日本の出版文化には問題があるのかもしれない。

2005年の海外旅行者は1740万だが、日本来訪者は665万。
日本の観光産業にも問題があるようだ。

2005年日本の報道の自由ランクは37位。
2006年日本の政治的権利と市民の自由は52位。
日本における民主主義はそれほど発達しているとは言えない。

日本の女性の社会進出はは43位。
女性の力はあまり生かされていない。

貧富の差を示す日本のジニ係数は0.307、OECD平均より大きい。
消費者金融に借金のある人も1600万人いる。
貯蓄0世帯は22.2%にも及ぶ。
日本の景気回復は、実は庶民の貯金の吐き出しによって維持されてきた。
これはいつまで続くかはわからない。
クリントン時代のアメリカと同じである。

日本の幸福度は世界90位と低い。
100万人当たり自殺者数を見る。
ロシア  387
日本   238
韓国   179
アメリカ 107
ドイツ  135
フィリピン 21
フィリピンはなせ自殺者が少ないのか気になるな。

日本の犯罪増加と、犯罪検挙率の低下問題。
実はこれは統計トリック。
自転車泥棒など、
以前なら数値に数えなかったものを数えるようになったため。
犯罪は増加していないので誤解なきよう。

ほっとする事実。
日本は世界で一番好ましい国。
平和憲法などもあり、嫌われにくい国なのである。

・今日の一言
コスタリカは戦闘機や戦車を持たない。
Costa Rica doesn't have any fighter aircrafts and tanks.
코스타리카는 전투기나 탱크를 가지지 않는다.
哥斯达黎加没有战斗机和坦克。

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